21世紀COE tea time 博士課程・ポスドク・助教対象
日時 |
2008年 3月 13日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
福山 浩司 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
導来圏による多様体のある復元定理の紹介
|
アブストラクト |
「標準束またはその逆が豊富な射影多様体は
連接層の導来圏から復元される」という復元定理があります(Bondal-Orlov)。
D.Faveroはこの定理における標準束と同様の機能を果たす可逆層(の族)を
考え、Bondal-Orlovと類似の復元定理を証明しました。その系として
アーベル多様体のD加群の導来圏による復元定理が証明されています。
今回はこれらの理論についておおまかな紹介をしたいと思います。
|
日時 |
2008年 3月 7日(金) 15:00ー16:00
|
Speaker |
伊藤 公毅 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
Euler型積分--twisted (co)homology理論,
Hadamardの有限部分(正則化)についての徒然
|
アブストラクト |
pdf ファイル
|
日時 |
2008年 2月 28日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
源 泰幸 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
クイバーの表現型の非可換代数幾何学的特徴付け
|
アブストラクト |
クイバーの表現型の特徴付けは色々と知られていますが、
道代数の導来圏の性質としても特徴付けられるということをお話します。
Calabi-Yau 圏は近年盛んに研究されていますが、これの定義はCalabi-Yau
多様体の導来圏の性質を抽象化したものです。このように三角圏をある空間の
導来圏と見做して研究しようという姿勢を非可換代数幾何学と言ったりもする
様です。この精神にのっとって然るべく Fanoという概念を定義すれば、道
代数の導来圏は、有限表現型であれば Calabi-Yau であり無限表現型であれば
Fano である という特徴付けが得られます。
時間があれば、無限表現型の場合には 道代数の導来圏はpreprojective 代数か
ら定まる非可換射影空間(といってもアーベル圏ですが)の導来圏と同値になっ
ている、というBeilinson の定理の非可換版も紹介したいと思います。
|
日時 |
2008年 2月 21日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
塚本 真輝 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
Gromov の平均次元理論入門
|
アブストラクト |
Gromov によって定義された「平均次元」
という概念について解説を試みたい。
平均次元とは「無限次元空間の次元」である。
たとえば、閉区間$[0,1]$の無限直積を考えて、
それの「平均的な次元」は1である、などという考え方である。
Gromov らしい、実無限の荒野への新たな挑戦といえる。
この理論の基礎について丁寧に解説してみたい。
この講演を理解するために必要な基礎知識は、
距離空間の定義と、単体複対の定義ぐらいである。
よって、興味さえあれば、誰でも理解できる話になるはずである。
講演者自身の結果について述べる予定はない。
基礎理論の解説のみを行いたい。
|
日時 |
2008年 2月 14日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
阿部 健 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
代数曲線上のベクトル束のモジュライ上の一般テータ因子について
|
アブストラクト |
代数曲線上の直線束のモジュライであるピカール群上にはテータ因子があります。これのベクトル束類似で、ベクトル束
のモジュライ上に一般テータ因子が定義されています。
この一般テータ因子について知られているいくつかの事実、
例えば、一般テータ因子によるモジュライの射影空間への射について、
一般テータの大域切断の次元について、などを大雑把に紹介
したいと思います。
|
日時 |
2008年 2月 7日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
星 裕一郎 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
代数曲線の数論的基本群と遠アーベル幾何学
|
アブストラクト |
1980年代に A.Grothendieck は、「もしも代数多様体が『遠アーベル』
ならば、その多様体の幾何学はその数論的基本群から決定される」という
予想を提唱しました。「遠アーベルな多様体」という多様体のクラスは
いまだに定義されていませんが、例えば代数体の spec や代数体上の
双曲的曲線は遠アーベル多様体であると考えられており、現在のところ、
「遠アーベル幾何学」とは先述の予想をそのような多様体に対して考察する
幾何学だと言っても良いと思われます。
この講演では、代数多様体に対する数論的基本群という概念の復習から始め、
これまでに遠アーベル幾何学においてどのような結果が得られているのか、
その解説を行います。また、その後、時間が許す限り、講演者のこれまでの
研究について言及をします。
|
日時 |
2008年 1月 31日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
松岡 拓男 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
Operads と iterated loop space theory について
|
アブストラクト |
Operad とは何かということから始め、古典的な、Euclid 空間
の配置空間に関連する operad を用いたループ空間の理論を概
観した上で、より最近の、高次元圏論的な見方からの、その発
展に関する話題に触れたいと考えています。
|
日時 |
2008年 1月 24日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
眞野 智行 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
Riemann-Wirtinger積分とトーラス上のモノドロミー保存変形
|
アブストラクト |
1次元複素トーラス(楕円曲線)上の線形微分方程式に対し、その
モノドロミー行列を一定に保つという条件を課して変形すると、
考えている線形微分方程式の係数が満たすべき非線形微分方程式が導かれる。
一般にはこの非線形微分方程式の解は非常に超越的なものであると思われるが、
特別な場合に限れば、線形方程式に帰着される特殊解が存在する。さらに
この解は、指数関数およびテータ関数の複素冪の積による積分表示をもつ。
この種の積分表示はRiemann-Wirtinger積分と名付けられ、通常の超幾何関数の
積分表示の一つの一般化を与えるもので、これ自身興味深い性質をもつ関数を
与えるということが期待されている。
今回は、通常よく知られているP^1上のモノドロミー保存変形の理論を簡単に
復習した後、それに対比する形でトーラス上の場合の結果について紹介する。
|
日時 |
2008年 1月 17日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
鍛冶 静雄 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
複素代数群の Chow ring の計算
|
アブストラクト |
Chow ring とは代数多様体に対して定義される、
コホモロジーに良く似た不変量である。
ここでは、代数的位相幾何学における古典的な計算を
Schubert calculus の道具を用いて翻訳する事で、
単連結単純複素Lie群 G の Chow ring A^*(G) を
決定する事が目標である。
|
日時 |
2007年 12月 13日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
斉木 吉隆 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
カオス力学系の不安定周期軌道解析
|
アブストラクト |
流体乱流をはじめとして、定常状態や周期的状態に収束しない
複雑な物理現象は、しばしばカオス力学系で記述される。
カオスアトラクタには無限個の不安定な周期軌道が埋め込まれており、
それらの周期軌道は、複雑現象に内在する秩序構造の骨格を形成している。
本セミナーでは、具体例を用いながら、不安定周期軌道に着目することに
よって捉えられるカオス力学系の特性を紹介するとともに、カオス力学系の
数値計算にも言及したい。
|
日時 |
2007年 12月 6日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
眞崎 聡 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
非線型シュレディンガー方程式の解の時間無限大での挙動について
|
アブストラクト |
べき乗型の非線型項をもつ非線型シュレディンガー方程式の初期値問題を考える.
方程式の線型部による分散効果と非線型項による非線型効果との関係によって解の
時刻無限大での振る舞いが変化することについて,講演者の研究に触れつつ簡単に
解説したい.
|
日時 |
2007年 11月 29日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
笠谷 昌弘 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
ダブルアフィンHecke代数と非対称Macdonald多項式
|
アブストラクト |
ルート系に付随した或る内積についての直交多項式系、
あるいは、或る可換なq-差分作用素の族の同時固有関数を
Macdonald多項式と呼びます。
Cherednikは、ダブルアフィンHecke代数とその多項式表現
と呼ばれるものを導入し、Macdonald多項式の満たす
幾つかの性質(Macdonald予想と呼ばれています)を
自然に導きました。
Macdonald多項式には、Weyl群の作用に関して対称なものと
非対称なものの2種類がありますが、今回は非対称の場合に
Cherednikの理論を紹介し、時間があれば、
Macdonald予想を応用することで得られる
講演者の最近の研究結果についても触れたいと思います。
|
日時 |
2007年 11月 22日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
木村 嘉之 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
Hall代数と表現論 (サーベイ)
|
アブストラクト |
Hall代数とは、有限体上定義されたabel圏に対して定まる abel圏の完全列を数えあげることで定義される代数です。
今回の講演ではHall代数の構成と基本的な性質とその応用についてサーベイを行いたいと思います。
|
日時 |
2007年 11月 15日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
土岡 俊介 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
対称群の表現論について(サーベイ)
|
アブストラクト |
対称群は古くて新しい数学的対象です。
古いという意味は、表現論の誕生と共に研究されてきた
由緒正しい対象であるということ意味で、新しいという意味は、
近年も量子群などの発展を取り込みながら研究が続いている
という意味です。今回の講演では、予備知識を仮定せずに
対称群の表現論についてサーベイを行いたいと思います。
時間が許せば、講演者の最近の研究についても触れたいと思います。
|
日時 |
2007年 11月 8日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
尾國 新一 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
群上のランダムウォークと群フォンノイマン代数上のある加群の関係
|
アブストラクト |
有限生成な無限群上の単純対称
ランダムウォークを考えます。無限ステップ後のこれの漸近挙動の
比較的単純な性質が群フォンノイマン代数上のある加群を用いて
捕らえられることを紹介します。
|
日時 |
2007年 10月 25日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
加塩 朋和 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
p進周期とp進ガンマ関数 |
アブストラクト |
数論には様々なL関数が登場し
それらは数論的情報を含んでいる。
Riemannゼータ函数の零点の分布と素数の分布の対応は顕著な例である。
今回はある種のL関数の一階微分値に注目し、ガンマ関数や周期との関係、
及びそのp進類似を紹介する。
|
日時 |
2007年 10月 18日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
梶浦 宏成 |
場所 |
数学教室(理学部3号館)306号室 |
タイトル |
An introduction to homotopy associative algebras |
アブストラクト |
多様体上の微分形式の空間(ドラーム複体)などの持つ
構造である differential graded algebra の自然な拡張である
homotopy associative algebra (A-infinity algebra) は
現在ミラー対称性などの物理に関連する幾何学において
盛んに応用されている.
そのような応用のごく一例について, A-infinity 代数の定義,
Massey product や triangulated category の持つ構造
との関係とそれらの構造の限界(つまり A-infinity 構造を
考える必要性)などについて触れつつ紹介したいと考えています. |
日時 |
2007年 6月14日(木) 15:00ー16:00
|
Speaker |
近藤剛史 (数理研 ・ COE研究員) |
場所 |
数学教室306号室 |
2006年度
tea time
|
|
Last modified: March 3, 2008 |
|