研究活動

「数理解析」とは

自然科学や社会科学など学問の諸分野で提起される問題には、数学的な取扱いを必要とするものが多い。
 しかし、その中には既存の数学的方法では解決できず、新しい方法や理論を開発しなければならないものがある。力学の問題を取り扱うために微分積分法が編み出されたことは歴史上の顕著な例である。その後の例は枚挙にいとまがないが、物理や工学からの提起に始まって誕生した新しい方法や理論は、当初の問題に適用されるに留まらず、翻って数学の新しい一般論として誕生し発展し、さらに広く他分野における応用に資するものとなる。「数理解析」とはこのような研究を推進する分野である。

研究活動の理念と目標

本研究所は、数学・数理科学分野において、所員による研究、国内共同研究、国際共同研究を三本柱として、国際研究拠点としての活動とその機能の充実を目指している。
 所員の研究範囲は、基礎から応用まで幅広いが、相互に有機的な関連をもち、その相互作用により新しい研究領域が生み出されている。
 本研究所は、数理科学全般に関する我が国唯一の共同利用・共同研究拠点であり、RIMS研究集会、RIMS共同研究などの共同利用事業を行い、毎年約4,000名の研究者が来所している。さらに、共同利用事業の一つとして、通年テーマを採択し、長期滞在型の国際プロジェクト研究を行っており、研究成果を挙げるとともに若手研究者に飛躍の場を提供している。なお、共同利用事業は、所外委員が過半数を占める運営委員会により、公募制と客観的な評価のもとに運営されている。
 これら共同利用事業の多くは英語を公用語として開催されており、客員教授その他の外国人研究員制度も活用し、外国人参加者数も年間300名を超えている。とくに海外からの中長期滞在研究者が多数あることや複数の外国人所員の存在は当該分野の研究の進展のみならず、海外への情報発信にも大きく貢献している。
 また、本研究所は、理学研究科数学・数理解析専攻数理解析系として、研究者養成を目的として独自の大学院教育も行っており、博士号授与者も100名を超えている。

研究成果の公表

本研究所は、いくつかの出版活動を行っている。 「Publications of RIMS」(年4回刊行)は国際的にも評価されている欧文専門学術誌であり、海外からの投稿も多い。 「数理解析研究所講究録」は共同利用事業の成果を公表している。 平成19(2007)年からは新しく「RIMS Kôkyûroku Bessatsu」の刊行を開始した。 「RIMS Preprint Series」は所員の最新の研究成果を公表している。 また「数理解析研究所要覧」は、自己点検報告書であり、所員の研究活動等を伝える。 「数理解析研究所便り(電子版)」は、共同利用事業等の活動の広報を目的として年2回配信している。
 さらに、昭和51年(1976)に始まる「数学入門公開講座」は、高校生から熟年層に至る一般市民を対象に現代数学の紹介を行い、その予稿集は、事後にホームページで公開している。