所員 -藤田 健人-

名前 藤田 健人 (Fujita, Kento)
助教
E-Mail fujita (emailアドレスには@kurims.kyoto-u.ac.jp をつけてください)
U R L
研究内容 代数幾何学の研究
紹 介
 代数幾何学, 特にファノ多様体の研究を主にしている。 ファノ多様体とは反標準因子が豊富な非特異射影複素代数多様体のことで, 極小モデル理論やケーラー幾何等で重要な対象である。 私はファノ多様体の双有理的な側面に興味がある。 具体的には, (1) ファノ多様体に関する向井予想, (2) 極小モデル理論, (3) 対数的デルペッツォ曲面の分類, そして (4) ファノ多様体のK安定性, の研究を進めてきた。現在は主として (4) に取り組んでいる。
 (1) 1988年に向井茂氏により提示された向井予想とは, ファノ多様体のピカール数と指数との関連性についての予想である。 私は [1, 2] 等にて, 主張を可約化, 対数化するなどして, この 予想をより一般化したうえで考察した。[1] では「向井予想が従えば一つ次元の大きい 対数的向井予想が従う」という, 帰納的に予想を考える上での第一段階に当たる結果を得た。
 (2) [2] での経験をもとに, [3] にて可約な代数多様体上の半端末モデルの存在を証明した。 これは, 正規代数曲面の極小特異点解消の存在という有名な事実の, 可約かつ高次元版に相当する。
 (3) 商特異点を許した2次元ファノ多様体のことを対数的デルペッツォ曲面という。 私は安武和範氏との共同研究 [7] で, 任意指数の対数的デルペッツォ曲面の分類の アルゴリズムを与え, 更に指数3での全リストを与えることに成功した。 ここでのアイデアは中山昇氏の指数2の分類方法を発展させることで得られた。 またこの手法をもとに, [5] にて様々な特殊な対数的デルペッツォ曲面を分類した。
 (4) ファノ多様体上にケーラー・アインシュタイン計量が入ることとK安定であることは同値である。 この事実は最近 Chen-Donaldson-Sun三氏及びTian氏により独立に証明された。 しかしながらK安定性の定義は複雑で, 判定が容易ではない。 私は [4] にて, Berman氏によって導入された幾分分かりやすい「Gibbs安定性」が, K安定性の十分条件であることを証明した。ここで得られた着想をもとに, 私は [6] にて, 「因子的安定性」なるK安定性の必要条件を導入し, また [8] にて, K安定なファノ多様体の体積の最良上界を与えることに成功した。 更にその議論を発展させ, 「付値安定性」なる安定性条件とK安定性が同値であるということを, [9] にてLi氏と独立に証明した。この付値安定性は体積函数を使って定義され, 極小モデル理論的に自然な使い勝手の良い条件である。 実際 [10] にて, Tian氏によって導入された不変量と付値安定性の関連性を 精密に論じることができた。将来的にはこの付値安定性がより洗練され, 全ての3次元ファノ多様体のK安定性が具体的に判定可能になるような理論が 構築できることを期待している。
  1. The Mukai conjecture for log Fano manifolds, Cent. Eur. J. Math., 12 (2014), 14-27.
  2. Simple normal crossing Fano varieties and log Fano manifolds, Nagoya Math. J., 214 (2014), 95-123.
  3. Semi-terminal modifications of demi-normal pairs, Int. Math. Res. Not., (2015), 13653-13668.
  4. On Berman-Gibbs stability and K-stability of Q-Fano varieties, Compos. Math., 152 (2016), 288-298.
  5. Log del Pezzo surfaces with not small fractional indices, Math. Nachr., 289 (2016), 34-59.
  6. On K-stability and the volume functions of Q-Fano varieties, Proc. Lond. Math. Soc., 113 (2016), 541-582.
  7. Classification of log del Pezzo surfaces of index three, J. Math. Soc. Japan, 69 (2017), 163-225. (with K. Yasutake)
  8. Optimal bounds for the volumes of Kahler-Einstein Fano manifolds, accepted by Amer. J. Math.
  9. A valuative criterion for uniform K-stability of Q-Fano varieties, accepted by J. Reine Angew. Math.
  10. K-stability of Fano manifolds with not small alpha invariants, accepted by J. Inst. Math. Jussieu.