全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第7回
日時: 2004年6月4日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 河合 隆裕 教授
題目: 超函数、超局所解析そしてファインマン積分の特異性
要約:
数理科学のプロの議論では「日常用語」の扱いを受けているのに 学部の授業では余り教えられていないテーマの一つが超函数論。 その出発点について一言、二言。そしてその到達点である超局所解析 迄の道筋をチラリ。そんな純粋数学の進歩が、場の量子論で基本的な ファインマン積分の解析性に関するランダウと中西の結果の物理的 に面白い解釈につながって行く所迄紹介する。

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html"