全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第4回
日時: 2005年5月13日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 長谷川 真人 助教授
題目: Computer Science Contradicts Mathematics: An Exercise
要約:
講義の題目は、ある著名な数学者が、計算機科学で必要とされる数学構造が、 常識的な数学の世界と(一見)相容れない、ということについて言及した際の ものです。計算という複雑な現象の背後に隠れている本質的な数学構造を発見・ 解析するというのが、理論計算機科学の大きな研究目標のひとつですが、今回 の講義では、自分自身を呼び出すような計算(再帰計算)の分析のために必要 な数学構造の構成を、実際に(予備知識を仮定せずに)「実演」し、それがど のように「Contradicts Mathematics」なのか、考えたいと思います。

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html"