全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第8回
日時: 2007年6月8日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 竹井 義次 准教授
題目: 漸近解析と微分方程式
要約:
変数やパラメータが0(あるいは無限大)に近づいた時の関数の 挙動を調べるのが漸近解析であり、その最も素朴で代表的な例が 関数のテーラー展開である。こうした漸近解析の考え方は、昔から 微分方程式を解析するためにいろいろな形で用いられてきた。
この講義では、上記のテーラー展開に加えてラプラス変換や複素積分 といった手法を援用しながら、漸近解析と微分方程式との関わりに ついて論じてみたい。

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