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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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日時: | 2008年7月11日(金) 16:30−18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 玉川 安騎男 教授 |
題目: |
ヒルベルトの既約性定理とその応用
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要約: |
有理数係数の2変数既約多項式 f (t,x) に対し、
f (b,x) が(x の1変数多項式として)既約
になるような有理数 b が無限個存在します。
これが、David Hilbert (1862-1943) の
既約性定理の最も初等的な定式化です。
この既約性定理は、有理数体を実数体や複素数体に とりかえると成立しません。また、有限体やp進体に とりかえてもやはり成立しません。基底定理、零点定理、 定理90など、ヒルベルトの名が残る定理はいくつも ありますが、その中で、既約性定理は数論的かつ大域的な 定理ということができ、実際、現代の整数論、数論幾何の 研究にもしばしば登場します。 この講義では、既約性定理のさまざまな定式化や証明の概略を 述べた後、その応用として、数論の古典的な未解決問題である ガロアの逆問題への一つの標準的なアプローチを紹介します。 また、講義全体を通じて、群・環・体などの代数学の基本的 対象に親しんでもらえるようにしたいと思っています。 |
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