全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり



授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第10回
日時: 2011年6月24日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 藤重 悟 教授
題目: 離散凸関数と劣モジュラ性
要約:
整数格子点上の「凸関数」をどのように定義するのが 自然だろうか? マトロイドや劣モジュラ関数は,グラフや ネットワークの最適化において極めて基本的であり有用で 美しい離散構造である. 本講義では,そのような離散構造を 一般化する道の先に見えてくる離散凸関数についてその概要を 紹介する.

これは,多くの離散最適化研究者がその発展に関わり 室田一雄氏(東大)によって体系化され完成された「離散凸解析」の `はやわかり入門'のお話である.


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"