授業のテーマと目的： 数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。 数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。
第５回
日時：	２０１１年５月１３（金） 　　　　　　１６：３０−１８：００
場所：	数理解析研究所　４２０号室
講師：	岡本 久 教授
題目：	ナヴィエ−ストークス方程式の未解決問題
要約：	ナヴィエ−ストークス方程式は、水などの流体の運動を記述する 偏微分方程式である。19世紀前半に提唱された由緒ある方程式で、 工学や気象学などで大活躍している。しかし、未解決問題が数多く 残されており、数学の立場からみると実に悩ましい方程式である。 未解決問題のうちもっとも有名なのはクレイ研究所のミレニアム 懸賞問題であろう。こうした未解決問題を平易に解説する予定である。
"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"