全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第13回
日時: 2012年7月20日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 玉川 安騎男 教授
題目: 楕円曲線と整数論
要約:
楕円曲線は、代数幾何学的には、(有理点を1つ与えられた)種数1の 代数曲線として特徴付けられる比較的易しい代数多様体ですが、数論 幾何学的には、整数論の多くの重要な問題と密接に関連した、たいへん 豊かで興味深い対象です。

この講義では、楕円曲線の基本的なことについて簡単に説明した後、 楕円曲線とディオファントス問題(不定方程式を解く問題)のかかわり について解説したいと思います。


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