全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり



授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第1回
日時: 2013年4月12日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 岡本 久 教授
題目: ニュートン法の話
要約:
ニュートン法は高校の数学でも出てくるのでご存じの方も 多かろう。数値計算法のひとつとして無くてはならないものだし、 これを知らずして工学部の大学院に合格できるとは思えない くらい、必須のものである。しかし、その応用の広さは単に 計算の一助といったものに留まらない。

ここでは、ニュートンから説き起こしてその歴史的発展を 概説し、コルモゴロフ・アーノルド・モーザーの理論や ナッシュの陰関数定理といった純粋数学への応用まで、 ニュートン法がどのように使われているか、高校数学+α 程度で説明してみたい。


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"