全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第10回
日時: 2013年6月28日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 山田 道夫 教授
題目: フレームとサンプリング
要約:
フレームは 1952年 Duffin & Schaeffer によって 導入された概念である.ヒルベルト空間の基底を一般化した 概念で,のちに1980年代ウェーブレット解析に関連して 注目されるようになった.現在では関数や信号を表す手法 としてデータや信号の解析に用いられている.ここでは 有限次元ベクトル空間におけるフレーム展開から始めて サンプリング定理との関係に触れる.

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"