全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第13回
日時: 2014年7月18日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 玉川 安騎男 教授
題目: ガロア理論と類体論
要約:
ガロア理論とは、代数方程式の解の置換に関する理論で、その基本定理は 「体」や「群」という代数学の基本概念を用いて述べられます。 類体論とは、代数体(有理数体の有限次拡大体)のガロア理論のうち、 対応する群の演算が可換になるものを記述する、整数論の最重要理論の一つです。

この講義では、体や群の説明から始めて、ガロア理論の基本定理の内容を 感じ取ってもらうことを前半の目標としたいと思います。 後半は、類体論の内容やおもしろみについて、 ややお話的になるかと思いますが、時間の許す限り説明したいと思います。


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