全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第10回
日時: 2016年6月24日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 葉廣 和夫 准教授
題目: 曲面の写像類群について
要約:
曲面の写像類群とは、曲面からそれ自身への向きを保つ同相写像のイソトピー類のなす群のことです。
写像類群は、単純閉曲線に沿ったデーンツイストと呼ばれる単純な写像によって生成されることが知られています。
講義では写像類群の構造と、トポロジーにおけるいろいろな概念との関連について解説する予定です。

参考文献:

  • 阿原一志、逆井卓也、パズルゲームで楽しむ写像類群入門、日本評論社、2013年

  • Benson Farb, Dan Margalit, A Primer on Mapping class groups, Princeton University Press, 2012

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"