全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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日時: | 2016年7月15日(金) 16:30−18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 玉川 安騎男 教授 |
題目: |
有限線形群に関するJordanの定理について
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要約: |
nを自然数とします。n次複素正則行列の有限集合で行列の積について閉じているものを(n次)有限線形群と呼びます。有限線形群の任意の2つの元A, Bが交換可能(AB=BA)であるとき、有限線形群が可換であるということにします。可換な有限線形群は、(同時)対角化可能であることに注意します。
Jordan標準形で有名なCamille Jordan (1838-1922)は、次の定理を証明しました:nのみによる定数 c(n)>0 が存在し、任意のn次有限線形群Gは、可換な有限線形群Hであって、|H|≧c(n)|G| となるものを必ず含む。(有限集合Sに対し、Sの元の個数を|S|で表します。) この講義は、Jordanの定理とその証明の紹介を通じて、群とその線形表現の概念や性質に親しむことを目標とします。また、Jordanの定理の現代的な発展や応用についても少しふれられればと思っています。
参考文献:
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"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html" |