全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)
|
現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
| |
日時: | 2016年5月6日(金) 16:30−18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 横田 巧 助教 |
題目: |
最適輸送理論と幾何学
|
要約: |
物資を最小総コストで運ぶプランを求める最適輸送問題は、数学的には Monge(-Kantorovich) の問題として定式化され研究されてきましたが、近年、リーマン多様体のリッチ曲率と相性が良いことが発見され、微分幾何学のホットな研究分野の一つになりました。具体的・専門的には、完備リーマン多様体が非負リッチ曲率を持つことと、その上の確率測度全体の空間である Wasserstein 空間においてエントロピー汎関数が凸関数であることの同値性が証明され、それを基にしたリーマン多様体と、より一般の測度付き距離空間の研究が始まりました。さらに最近では、G. Perelman による3次元ポアンカレ予想の証明にも使われたリッチフローと Alexandrov 空間とも関わりながら発展し続けています。この講義では、これらの話題の紹介を試みます。
参考文献:
|
"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html" |