全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第13回
日時: 2018年7月20日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 玉川 安騎男 教授
題目: 整数と多項式の類似について
要約:
整数と多項式(あるいは有理数と有理式)の間には、さまざまな類似があることが知られています。 特に多項式の係数が有限体の場合には、類体論、岩澤理論、ラングランズ対応など、整数論における 深い類似が存在します。この講義では、通常の複素数係数の多項式の場合に、そこまで深くはないが 十分興味深い類似をいくつか取り上げたいと思います。より具体的には、多項式の世界における フェルマーの最終定理やABC予想の類似について解説したいと思います。

参考文献:
予備知識はなるべく高校数学の範囲内で済むようにしたいと思いますので、特に参考文献は必要ないと思います。


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"