全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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日時: | 2019年4月19日(金) 16:30−18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 熊谷 隆 教授 |
題目: |
ランダムな空間の中で熱はどのように伝わるか?
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要約: |
物質の中では、各々の粒子がランダムに振動することで熱が伝わっていきます。このような熱伝導は、
熱方程式という微分方程式の解の挙動を調べることで、数学的に厳密な形で解析することができますが、
実は熱方程式を解析するための、もっと直感的に分かりやすい方法があります。すなわち、空間上に
ブラウン運動を作り、このブラウン運動の性質を調べることによって熱方程式を解析するという方法です。
空間が離散の場合には、ブラウン運動の代わりにランダムウォークを使って解析ができます。確率論を使った
このような解析は、粒子の動きという具体的なイメージがあるので分かりやすく、滑らかさのない空間にも適用
できるという強みがあります。
この講義では、ユークリッド空間上のブラウン運動から話を起こし、フラクタルのような滑らかさのない空間上の
ブラウン運動、さらにはパーコレーションやランダムグラフと呼ばれる、ランダムな図形の上のランダムウォークと
そのスケール極限についてお話し、ランダムな空間の中で熱がどのように伝わるについて考えます。
参考文献:
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"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html" |