全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第10回
日時: 2019年6月28日(金)
      16:30−18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 望月 拓郎 教授
題目: ヒッチン方程式と小林-ヒッチン対応
要約:
微分幾何学では, 微分方程式によって記述される 幾何学的な対象を研究します. 一つの興味 深いテーマは, そのような微分方程式の解全体を 代数的なデータによって分類することです.

この講義では, ヒッチン方程式という興味深い方程式について 紹介し, その解の分類(小林-ヒッチン対応)について 特別な場合に説明します.

参考文献:

  • 小林昭七 「曲線と曲面の微分幾何」 (裳華房)

  • 小林昭七 「複素幾何」(岩波書店)

  • 望月拓郎 「ヒッグス束や接続の Kobayashi-Hitchin 対応について」
    (第16回岡シンポジウムの講義録として岡シンポジウムのホームページで 公開されています.)


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"