プリンストンより その2 1999/04/08

ついに明日で6ヶ月のプリンストン生活が終わる.終わってしまえば, あっ という間であった.

1月から新学期が始まったわけだが, 火曜日の表現論セミナーこそ毎週あっ たが, 水曜日のbabyセミナーはほとんど開かれず, perverse sheafの introductionのセミナーは週一回に減った. それでもとても充実した日々であっ た. この学期は, Northwestern, Yale, SUNY,など色々なところを講演して回っ たのでそれで忙しかったこともあるが.

表現論セミナーでは, 再びLusztigの連続講演があった. 内容は, 最近の `Bases in equivariant K-theory'であった. これは, 与えられたnilpotent element e を含むようなBorel subalgebraの全体のなすvariety B_e の同変K 群の基底を構成しようという話であった. canonical basisは, ある種の多様 体の上のperverse sheafとして構成されるのであるが, その代数的な特徴づけ (barで不変なことと内積で`ほとんど'ノルムが1であること)を同変K群のとき にも適用してみようと言うものである. 一般のeに対して基底になっているこ とは未解決であるが, モジュラー表現との関連が示唆されるなど, 大変興味深 い問題になっている.

また私も箙多様体の同変K群を用いて量子アファイン環の有限次元表現や量 子トロイダル環のレベル0-表現を作る話をした. これは, 前から出来ると思っ ていたが, Grojnowskiができるとアナウンスメントを書いたのでずっと放って おいた結果である.