97年度研究報告書


日本学術振興会提出

9 年度は,より複雑な振動項を含む振動積分に対するアルゴリズムである,変数 変換にある種の加速の重み関数を組み合わせる方法について,誤差解析および 開発を行うことを研究の目的とした.この組み合わせる方法は通常の振動積分の DE公式に比べて加速の項が入るので多少効率が悪くなるという欠点があるが, 次第に精度を向上させるプロセスで前段階の計算値が利用できるという利点も あり,この方法の効率は変数変換と重み関数の選び方で大きく変わってくる. 本年度は,最適な変数変換と重み関数の選び方についての理論的考察および 数値実験を行った.

理論的には,変数変換の選び方は二重指数関数よりも速い減衰にしては ならないということと,変換後の被積分関数が正で大きいところで必ずしも 二重指数関数的な振舞いにならなくてもよいということがわかった.しかし, 最適な変数変換と重み関数の選び方には自由度があり,いろいろな数値実験を 行った.その結果,ある被積分関数と重み関数に対して,正で大きいところで 一重指数関数的な振舞いをする変数変換がより効率的になる場合があることを 確認した.しかし,これらの誤差解析はまだ不十分で,さらに詳しい解析を 行うことが今後の課題である.

また,数値積分の誤差の漸近評価には,高い精度の計算が要求されるため, 本年度は高速で移植可能な多倍精度計算用のルーチンの開発も同時に行った. このルーチンの設計は,桁数に対する計算量のオーダーが最小またはそれに 準ずるアルゴリズムで行った.この多倍長計算ルーチンはまだ未完成で 改良すべき点がいくつかあるものの,既存の多倍長計算プログラムよりも 高速になる見込である.今後,これらのルーチンを用いて誤差の評価等を 行う予定である.

9 度はまた,被積分関数の性質があらかじめわかっている場合の 特化した積分公式の作成方法についての考察を行った. これは,積分公式の誤差の特性関数を与えられた被積分関数の正則な 領域で最良近似するという試みである. 今後は,この方法で作成した積分公式と従来の変数変換型の公式との 比較および関連性について調べる予定である.


文部省科学技術研究費報告書類

9 年度は,より複雑な振動項を含む振動積分に対するアルゴリズムである,変数 変換にある種の加速の重み関数を組み合わせる方法について,誤差解析および 開発を行うことを研究の目的とした.この組み合わせる方法は通常の振動積分の DE公式に比べて加速の項が入るので多少効率が悪くなるという欠点があるが, 次第に精度を向上させるプロセスで前段階の計算値が利用できるという利点も あり,この方法の効率は変数変換と重み関数の選び方で大きく変わってくる. 本年度は,最適な変数変換と重み関数の選び方についての理論的考察および 数値実験を行った.

理論的には,変数変換の選び方は二重指数関数よりも速い減衰にしては ならないということと,変換後の被積分関数が正で大きいところで必ずしも 二重指数関数的な振舞いにならなくてもよいということがわかった.しかし, 最適な変数変換と重み関数の選び方には自由度があり,いろいろな数値実験を 行った.その結果,ある被積分関数と重み関数に対して,正で大きいところで 一重指数関数的な振舞いをする変数変換がより効率的になる場合があることを 確認した.しかし,これらの誤差解析はまだ不十分で,さらに詳しい解析を 行うことが今後の課題である.

また,数値積分の誤差の漸近評価には,高い精度の計算が要求されるため, 本年度は高速で移植可能な多倍精度計算用のルーチンの開発も同時に行った. このルーチンの設計は,桁数に対する計算量のオーダーが最小またはそれに 準ずるアルゴリズムで行った.この多倍長計算ルーチンはまだ未完成で 改良すべき点がいくつかあるものの,既存の多倍長計算プログラムよりも 高速になる見込である.


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