興味を持った学生さんへ

わたしの専門は表現論です。主に無限次元代数の表現論を研究しています。かつてはヘッケ環や量子群を研究していたこともありましたが、最近は主にアフィンKac-Moody代数や Virasoro代数などの無限次元Lie環やその仲間たちを研究しています。これらは可積分系、量子群、モジュラー表現論、幾何学的Langlands対応および4次元のゲージ理論、弦理論などさまざまな話題と関係する大変興味深い対象です。また、これらを統一的に扱う枠組みである頂点代数の理論の研究もしています。

ICM2018での講演のビデオ

ではこれまでの私の研究について説明しています。

上の講演の最後にも言及していますが、最近、素粒子論における高次元の場の理論と頂点代数との新しい関係が次々と見つかり、数学・物理双方にとって非常にホットなトピックとなっています。私自身も、今後はこのあたりを中心に研究して行く予定です。私の研究と物理との関係については、例えばChristopher Beem氏の

String 2017 での講演のビデオ

Theoretical Physics Symposium 2018での講演のスライド

や、Leonardo Rastelli氏の

String 2018での講演のスライド

を見て下さい。

私の研究室で取り扱う内容は大学4年までの通常の講義で取り扱われることはなく、また分野自体が若いため、既存の手法を学ぶというよりは自分で手法を開発していくというスタンスが大事になります。このための土台となる幅広い知識があるに越したことがありませんが、最も大事なのは自分の頭で粘り強く考える力だと言えます。

さらに私の研究分野の詳しい内容を勉強したいという学生さんには次の教科書、及びそこに書かれている参考文献を読まれることをお勧めします。

Edward Frenkel and David Ben-Zvi, Vertex Algebras And Algebraic Curves: Second Edition. Mathematical Surveys & Monographs.

 

最終更新日: 2018年11月12日