チェス関連の蔵書:Wastonの本



Secrets of Modern Chess Strategy
John Watson

古典チェスから近代チェスにどのように概念が変わったのかを説明する名著。
以下の2つの書評からの引用が本書のテーマをよく言い表していると思う。
>著者は、古典チェスと近代チェスを対比させながら解説しているが、これがなかなか面白い。
>例えば古典チェスでは、駒の展開を図るため序盤戦では、
>同じ駒は一度しか動かさないのが原則とされる。
>しかし、著者の紹介する近代チェスの実践例では、
>序盤の最初の13手のうち7手で、ナイトが動く。
>これは従来の古典チェスの常識では「素人」のやること。
>しかし、このようにナイト動かしているのは、前世界チャンピョンのカスパロフであったりする。
>また、古典チェスでは、スペース(自分の駒の動ける空間)が多いほど有利とされる。
>しかし、近代チェスで流行しているヘッジホッグ防御が紹介され、
>ここで著者は、スペースがあってもそれを活用する戦略がなければ、スペースは無意味と説く。
>逆にスペースを持つ側は、そのスペースを防御し、相手の反撃を防ぐ義務が生じ、
>かえって負担になる場合もあると解説する。興味深い説明である。

>また、古典チェスは手順の丸暗記よりルール、原則、作戦の習得を重要視します。
>しかし、本書は、ルール、原則など当てににならない、
>むしろ、その局面その局面に応じた対応が必要と説きます。
>過去のゲームを出来る限り多く暗記し、
>ルールや原則に依存しないことこそ上達の秘訣と断言します。
>さらに古典チェスのルールを守っているようでは、
>そのルールが如何にいい加減か(当てはまらない場合が多いか)分かっている
>上級チェスプレイヤー(上級とはレイテリング1800以上を言うようです)の餌食になる。
>早くそんなものを卒業してその局面その局面を自分の力で判断するようになれと薦めます。
>古典チェスの教えを守ってきた人間にとって衝撃的な発想です。
>しかし最近の世界チャンピョンの棋譜を見る限り、確かに事実だと納得させられてしまいます。


Chess Strategy in Action
John Watson






Mastering the Chess Openings: vol 1
John Watson






Mastering the Chess Openings: vol 2
John Watson






Mastering the Chess Openings: vol 3
John Watson






Mastering the Chess Openings: vol 4
John Watson






Taming Wild Chess Openings: How to Deal With the Good, the Bad and the Ugly over the Chess Board
John Watson, Eric Schiller








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