過去の学部上級〜大学院レベルのセミナーで使用したことがある本
（●がついています）、
これから使用してみたい本、
および個人的に興味を持った本のなかから選んでいます。
網羅的なものではありません，悪しからず。
項目：
- Highly Recommended
N.D. Jones,
Computability and Complexity: From a Programming Perspective.
MIT Press, 1997. ●
計算可能性と計算量について、プログラミング言語を基礎に置いて
平易かつ統一的に説明するのに成功している良書。
もちろん、部分計算など、Jonesならではの話題も充実。
（ただし誤植がかなり多いので注意 − 再版でかなり修正されるそうです）
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- J.E. Hopcroft, R. Motwani and J.D. Ullman,
Introduction to Automata Theory, Languages, and Computation,
Second Edition.
Addison-Wesley, 2001.
邦訳：野崎・高橋・町田・山崎 訳,
オートマトン 言語理論 計算論 I, II.
サイエンス社, 2003.●
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所蔵図書館（邦訳） ] （研究室にもあります）
- 大堀・ガリグ・西村, コンピュータサイエンス入門
アルゴリズムとプログラミング言語. 岩波書店, 1999.
関数型プログラミング言語によるアルゴリズムと計算量への入門 (第I部)。
平易で、よくまとまっている。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- D.E. Knuth,
Selected Papers on Analysis of Algorithms.
CSLI Publications, 2000.
たまには初心に帰って...。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
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- Recommended
D.A. Paterson and J.L. Hennessy,
Computer Organization & Design: The Hardware/Software Interface
(Second Edition).
Morgan Kaufmann Publishers, 1998.
邦訳：成田光彦 訳, コンピュータの構成と設計：
ハードウェアとソフトウェアのインタフェース（第２版、上・下）.
日経ＢＰ, 1999. ●
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所蔵図書館（邦訳） ] （研究室にもあります）
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- Recommended
H. Abelson and G. J. Sussman, with J. Sussman,
Structure and Interpretation of Computer Programs
(Second Edtion).
MIT Press, 1996.
邦訳：元吉文男 訳,
プログラムの構造と実行（上・下）.
マグロウヒル出版, 1989.
プログラミングとプログラミング言語に関する基礎的な考え方を修得するのに
絶好の名著。読み易く、明晰かつ示唆に富んでいる。
[
所蔵図書館（原書、第２版） ]
[
所蔵図書館（翻訳、初版） ]
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ユーザーサポートページ ] （研究室にもあります）
- Recommended
D.P. Friedman, M. Wand and C.T. Haynes,
Essentials of Programming Languages (Second Edition).
MIT Press, 2001.
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所蔵図書館（第２版） ] （研究室にもあります）
- 浅井健一,
プログラミングの基礎.
サイエンス社, 2007.
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- A.W. Appel,
Modern Compiler Implementation in ML.
Cambridge University Press, 1998. ●
コンパイラの実装の解説書。基礎からかなり新しい話題まで
カバーされている。ただし、けっこう手強い。
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所蔵図書館 ] （旧版が研究室にあります）
[
著者によるホームページ ]
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- C.A. Gunter,
Semantics of Programming Languages.
MIT Press, 1992. ●
プログラミング言語の意味論への入門書。
型付き関数型プログラミング言語の意味論を、
古典的な領域理論を用いて展開している。
領域理論の解説は、天下り的ながらよくまとまっている。
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- Highly Recommended
G. Winskel,
The Formal Semantics of Programming Languages :
An Introduction.
MIT Press, 1993. ●
同じくプログラミング言語の意味論への入門書、内容はGunterよりやや易しめか。
Plotkin流の、Structural Operational SemanticsとDenotational
Semanticsの首尾一貫した扱いを与えている。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- T. Streicher,
Domain-Theoretic Foundations of Functional Programming.
World Scientific, 2006.
PCFのfull abstractionに関するモノグラフ（ただしgame semanticsは扱わない）。
Winskelの本の次に読むと良いかも。
[ 所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- 大堀淳,
プログラミング言語の基礎理論.
共立出版, 1997. ●
型付き関数型プログラミング言語の理論を、基礎から丁寧に解説している。
初学者の自習用にはやや難しいか。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
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- R. Kent Dybvig,
The Scheme Programming Language (Third Edition).
MIT Press, 2003.
- 大堀淳,
プログラミング言語Standard ML入門.
共立出版, 2001.
- OCaml-Nagoya 編,
入門OCaml.
毎日コミュニケーションズ, 2007.
- 五十嵐淳,
プログラミング in OCaml.
技術評論社, 2007.
- 立木秀樹・有賀妙子,
すべての人のためのJavaプログラミング.
共立出版, 2000.
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- Recommended
R. Milner,
Communicating and Mobile Systems: the π-Calculus.
Cambridge University Press, 1999. ●
CCSとπ計算の基本的な話題に絞って書かれた、
平易かつ含蓄のある入門書。ただし、細かいミスやバグがけっこうあるので、
初学者には注意が必要。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- C. Stirling,
Modal and Temporal Properties of Processes.
Springer-Verlag, 2001.
わかりやすい。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- J.A. Bergstra, A. Ponse and S.A. Smolka (eds.),
Handbook of Process Algebra.
North-Holland, 2001.
Bradfield and Stirling:
Modal logics and mu-calculi: an introduction,
Parrow:
An introduction to the pi-calculusなどを収録。
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所蔵図書館 ]
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- R.L. Crole,
Categories for Types.
Cambridge University Press, 1993. ●
平易で丁寧なのがとりえ。前半の圏論入門の部分は、
計算機科学（特に型付きプログラミング言語の理論）で用いる圏論の
主要な部分が十分にカバーされていて、
初心者向けのセミナーに使いやすい。
ただし、センスはいまいち。ミスも意外と多い。
後半を読むくらいなら、以下のJacobsの本を薦める。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
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著者によるページ] （不十分ながら訂正が掲載されている）
- Recommended
B. Jacobs,
Categorical Logic and Type Theory.
Elsevier, 1999.
９０年代半ばまでのこの分野の成果を、網羅的かつセンス良く扱っている。
初学者向けではない（Croleの本の前半程度のことは知らないとわけが
わからないかも）が、非常に良心的に書かれた好書。
専門家が参照するのにも大変便利。欠点は分厚すぎること。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
類書では、ちょっと古いけれど
J. Lambek and P. Scott,
Introduction to Higher Order Categorical Logic
(Cambridge Univ. Press, 1986; with corrections 1988)
● がよくまとまっている。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
ついでに、圏論そのものの参考書では、
F. Borceux,
Handbook of Categorical Algebra
(Cambridge Univ. Press, 1994)が懇切丁寧で、
とっつきやすい。
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所蔵図書館（第１巻） ] （研究室にもあります）
topos theoryについては、
P. Johnstone,
Sketches of an Elephant: A Topos Theory Compendium
(Oxford Univ. Press, 2002)を参照。
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所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
また、計算機科学者向けに書かれた圏論の教科書では、
M. Barr and C. Wells,
Category Theory for Computing Science (Prentice Hall 1990 /
3rd Edition by Les Publications CRM, 1999)が充実しています。
[
情報 ] （研究室にもあります）
- A. Pitts and P. Dybjer (eds.),
Semantics and Logics of Computation.
Cambridge University Press, 1997.
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
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- Recommended
J.R. Shoenfield,
Mathematical Logic.
Addison and Wesley, 1967. ●
古典。初学者向けのセミナーでは第１〜４章＋６章を使用。
長いこと絶版でしたが、最近、
ASLから再版されて、
入手可能になりました。
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- Recommended
D. van Dalen,
Logic and Structure (Fourth Edition).
Springer-Verlag, 2004. ●
一階述語論理の証明論（自然演繹）およびモデルの理論への優れた入門書。
二階論理、直観主義論理についても簡潔にまとめてある。
ただし、細かいミスが意外に多いので注意。
（付記：第４版では不完全性定理に関する章が追加されました。）
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- R. Cori and D. Lascar,
Mathematical Logic: A Course with Exercises (Part I, II).
Oxford Press, 2000.
もともと仏語で出版されていて、最近英訳が出たのですが、懇切丁寧でなかなか良さそうです。
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- Recommended
J.W. Lloyd,
Foundations of Logic Programming.
Springer-Verlag, 1984. ●
邦訳：佐藤雅彦・森下真一 訳, 論理プログラミングの基礎.
産業図書, 1987.
論理プログラミングの理論への優れた入門書。
[
所蔵図書館（邦訳） ] （研究室にもあります）
- J.-Y. Girard, Y. Lafont and P. Taylor,
Proofs and Types.
Cambridge University Press, 1989 (reprinted in 1990 with correction).
●
証明論、型理論とその意味論への、Girardならではのアジテーションに
溢れた楽しい入門書。
[
所蔵図書館 |
オンライン版 ] （研究室にもあります）
フランス語では、より新しい本もあります：
J.-Y. Girard,
Le Point Aveugle I: vers la perfection. Hermann, 2006.
J.-Y. Girard,
Le Point Aveugle II: vers l'imperfection. Hermann, 2007.
- M.H. Sorensen and P. Urzyczyn,
Lectures on the Curry-Howard Isomorphism.
Elsevier, 2006.
Curry-Howard対応（の構文論的な側面）に関する教科書。
基礎から進んだ話題まで丁寧に解説されている。
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- Recommended
林晋,
プログラム検証論.
共立出版, 1995.
ホーア論理によるプログラム検証法の、丁寧な解説書。
数理論理学的な感覚で一貫している。初学者への配慮も行き届いている。
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
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まずはこんなところから（理論計算機科学、特にプログラミング言語の理論に関連するもの）：
学術雑誌
国際会議
[DBLP Computer Science Bibliography]
[ACM Digital Library]
[IEEE Digital Library]
[LNCS Online]
[Great Works in Programming Languages (Collected by B.C. Pierce)]
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- Recommended
黒木登志夫, F.ハンター・藤田,
科学者のための英文手紙の書き方（増補版）.
朝倉書店, 1991.
留学準備や論文投稿、推薦状などで困ったときに、有用な本。
[
所蔵図書館 ] （研究室にもあります）
- Recommended
Nicholas J. Higham,
Handbook of Writing for the Mathematical Sciences (Second Edition).
Society for Industrial and Applied Mathematics, 1998.
邦訳：奥村彰二・長谷川武光 訳,
数理科学論文ハンドブック : 英語で書くために.
日本評論社, 1994.
実は邦訳は見たことがありませんが、原書（第２版になってさらに充実）は、
論文の執筆・推敲の際に大変役に立ちます。
[
所蔵図書館（翻訳） ]
[
所蔵図書館（原書、第２版） ] （研究室にもあります）
[関連情報ページ]
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- D.P. Friedman and M. Felleisen,
The Little Schemer / The Seasoned Schemer.
MIT Press, 1996.
Schemeの楽しい入門書。第９章の不動点演算子の解説が味わい深い。
- 西野哲朗,
中国人郵便配達問題＝コンピュータサイエンス最大の難関.
講談社（講談社選書メチエ148）, 1999.
量子計算および関連する話題の、心暖まる解説書。
- D. Deutsch,
Fabric of Reality.
Penguin Books, 1997.
量子チューリング機械の本家による、過激な啓蒙書。
計算機科学も物理帝国主義の軍門に下ってしまうのか？
- ジョン・キャスティ（藤原正彦・美子 訳）,
ケンブリッジ・クインテット.
新潮社, 1998.
チューリングら登場人物の造形が面白すぎるフィクション。
- S. Singh （サイモン・シン）,
The Code Book.
Fourth Estate, 1999.
邦訳：青木薫訳,
暗号解読 - ロゼッタ・ストーンから量子暗号まで.
新潮社, 2001.
イギリスでベストセラーになった、暗号の歴史と理論への楽しい啓蒙書。
メアリー女王の暗号や、エニグマ計画のエピソードなど、
お国柄がよく出ていて面白い。賞金付きの暗号が掲載されている
（残念ながら既に解かれてしまったけど）。なお、同じ著者の本では、
フェルマーの最終定理に関する啓蒙書（こちらも邦訳あり）も好著です。
[著者のホームページ]
- E. Gorey,
CATEGOR Y.
Gotham Book Mart, 1973.
邦訳（？）：
キャッテゴーリー.
河出書房新社, 2003.
- C.H. Papadimitriou,
Turing (A Novel about Computation).
MIT Press, 2003.
これは驚き、Papadimitriouが小説を書いてしまった。
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Masahito Hasegawa <hassei at kurims.kyoto-u.ac.jp>
Research Institute for Mathematical Sciences, Kyoto University