全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第7回
日時: 2020年6月12日(金)
      16:30−18:00
講師: 石川 卓 助教
題目: Poisson bracket の剛性からの Symplectic 幾何学入門
要約:
Symplectic 幾何学は微分幾何学の1分野で、 その研究には解析学、代数学など様々な分野の技術が使われています。 この講義では、微積分の簡単な問題から始めて、 Symplectic 幾何学の紹介を行います。 なお、下にあげた参考文献は、多様体の基礎知識など、 大学の数学の講義で学ぶことが前提知識として仮定されているので、 今すぐに読むのは難しいかもしれません。 その場合は、解析学、代数学も含めた大学の数学の講義をしっかりと 勉強したうえでもう一度チャレンジしてみることをお勧めします。

参考文献:

  • Leonid Polterovich and Daniel Rosen, Function theory on symplectic manifolds, American Mathematical Society
  • Dusa McDuff and Dietmar Salamon, Introduction to symplectic topology, Clarendon Press

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"