全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第3回
日時: 2021年4月23日(金)
      16:45−18:15
場所: オンライン
https://panda.ecs.kyoto-u.ac.jp/portal/site/2021-888-N114-001
講師: 星 裕一郎 准教授
題目: ヤコビ和に関するいくつかの話題
要約:
ヤコビ和とは,適当ないくつかの1の冪根(=何乗かすると1にな る複素数)の和として定義される複素数です.ヤコビ和は数論にお いて興味深い対象であると見做されており,これまでに様々な研究 が行われてきました.この講義では,まず最初に,p元体やヤコビ 和といった概念の定義を与えて,それから,ヤコビ和に関するいく つかの数論的な話題を紹介したいと思います.

参考文献:

  1. 山崎隆雄「初等整数論-数論幾何への誘い-」共立出版
  2. 雪江明彦「整数論2代数的整数論の基礎」日本評論社

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"