全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第7回
日時: 2021年5月21日(金)
      16:45−18:15
場所: オンライン
https://panda.ecs.kyoto-u.ac.jp/portal/site/2021-888-N114-001
講師: 河村 彰星 准教授
題目: 応対算法と競合比解析
https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kawamura/t/gss/
要約:
与えられる入力(例えばゲームの局面)に対して何らかの答(次に打つ手)を出 すやり方を予め定めたものを算法(アルゴリズム)といいます。入力が未知なの で、算法の性能は「如何なる入力に対しても∞以上に良い答を出す」という形で 測ります(最悪の場合による評価)。無数にあり得る入力と算法との勝負ですか ら、性能の限界をくっきりと解明することは難しく、素朴な題材においてもしば しば未解決です。本講義ではこのような算法評価の例として、次々に与えられる 入力に即答してゆく応対問題を幾つか取り上げ、その算法の評価尺度である競合 比の解析手法について紹介します。

参考文献:

  • 岩間一雄『アルゴリズム・サイエンス:出口からの超入門』共立出版(平成18年)

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"