全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第8回
日時: 2022年6月3日(金)
      16:45−18:15
場所: オンライン
講師: 入江 慶 准教授
題目: ポアンカレ・バーコフの定理
要約:
ポアンカレ・バーコフの定理は、円環上の面積保存写像に関する一種の固定点定理です。元々はポアンカレにより天体力学(三体問題)の研究と関連して見出されたもので、現代的な視点からはシンプレクティック・トポロジーの先駆的な結果とみることもできます。
この講演では、定理の内容を説明した後でビリヤード球の運動との関係を紹介し、定理の特別な場合(無限小版)のモース理論による証明の概略を述べます。

なおこの講義はzoomによるオンライン講義です。ミーティング情報はPandAでお知らせしますので確認してください。


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