全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第8回
日時: 2024年6月14日(金)
      16:45−18:15
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 入江 慶 准教授
題目: 写像度からのトポロジー入門
要約:
写像度はトポロジー(位相幾何学)の初歩で学ぶ重要な概念である。この講義 では、円周から円周への連続写像に対して、写像度の定義とそのホモトピー不変性と いう基本的な性質を説明し、応用として代数学の基本定理を証明する。 時間が許せば、一般の場合の写像度の定義についても論じる。

参考文献:

  1. 服部晶夫「位相幾何学」
  2. J. Milnor `Topology from the differentiable viewpoint'

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"