全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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日時: | 2025年4月11日(金) 16:45−18:15 |
場所: | 数理解析研究所420号室 |
講師: | 小澤 登高 教授 |
題目: |
積置換アルゴリズムとKazhdanの性質(T)
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要約: |
集合 X の上の全単射(以後、置換と呼ぶ)の集合を Aut(X) と書くことにする。fとgが置換なら、その合成 fg も置換である(一般に fg と gf は一致しないことに注意)。また、逆置換 f^{-1} も存在する。Aut(X)の部分集合で、合成と逆の2つの操作に閉じているものを(部分)群と呼ぶ。例えば、整数係数の n 次正方可逆行列の集合 GL(n,Z)は群である( X として整数の n 組の集合 Z^n を考える)。とても大きい有限集合 X の上の置換 g_1,...,g_3が与えられたとき( 3 という数に特に意味はなく、大きくない自然数なら何でもよい)、置換 g_1,...,g_3で生成される群、つまり、g_1,...,g_3及びその逆の幾つかの積で表されるような置換たちの成す群はどのような性質を持つであろうか?そのような群に属する典型的な置換はどのように見えるだろうか?こうした問題は純粋数学のみならず、工業上の応用もある重要なテーマである。これに取り組むのに無限次元の位相解析学が役立つことを紹介する。 |
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