全学共通科目講義(1回生〜4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
  ―― 基礎概念とその諸科学への広がり

授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第11回
日時: 2025年6月27日(金)
      16:45−18:15
場所: 数理解析研究所420号室
講師: 竹広 真一 准教授
題目: 波と平均流の相互作用問題について
要約:
流れの中を伝わる波は、その伝播特性が流れの分布に大きく依存します。 一方で、波は運動量を伴っているため、遠隔的に流れを生成・変化させる こともあります。このような波と平均流の相互作用のメカニズムは、 たとえば地球や他の惑星の大気循環の形成において重要な役割を果たしている ことが知られています。

本講演では、波と平均流の相互作用に関する基本的な数理について、いくつかの 代表的な波の例を取り上げて解説します。あわせて、これらの知見が自然現象の 理解にどのように応用されるかについても概観します。


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"