Japan. J. Math. 17, 63--116 (2022)

ラックス作用素について

A. デソーレ, V.G. カッツ, D. ヴァレリ

Abstract:
ラックス作用素を,階数$N\geq 1$であって,無限個の正整数$k$についてラックス方程式 $\frac{\partial L(\partial)}{\partial t_k}=[(L^{\frac kN}(\partial))_+,L(\partial)]$ が矛盾なくかつゼロでないような,モニック擬微分作用素$L(\partial)$として定義する. 方程式に矛盾がないとは,その流れが発展的ベクトル場によって定義されることである. 本論文ではKPおよび第$N$KdV階層の伝統的理論が,任意のスカラーラックス作用素について成り立つことを示す.