Speaker

河野隆史 (東京工業大学理学院数学系)

Date

October 8, 14:45-15:35

Title

Inverse \(K\)-Chevalley formula for type \(A\) semi-infinite flag manifolds

Abstract

\(G\) を複素数体上の連結かつ単連結な単純代数群とし,\(\mathbf{Q}_{G}\) を \(G\) に付随する半無限旗多様体とする.\(\mathbf{Q}_{G}\) の \(H \times \mathbb{C}^{\ast}\)-同変 \(K\)-群 \(K_{H \times \mathbb{C}^{\ast}}(\mathbf{Q}_{G})\) において,整ウェイト \(\lambda \in P\) に付随する \(\mathbf{Q}_{G}\) 上の直線束 \(\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}}(\lambda)\) と,アフィン Weyl 群 \(W_{\mathrm{af}}\) の元 \(x\) に付随する半無限 Schubert 多様体の構造層 \(\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}(x)}\) との (テンソル) 積のクラス\([\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}(x)}(\lambda)] = [\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}}(\lambda) \otimes \mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}(x)}]\) は,半無限 Schubert 多様体の構造層のクラス \([\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}(y)}]\) (\(y \in W_{\mathrm{af}}\)) にトーラス \(H\) の表現環 \(R(H) = \mathbb{Z}[P] \owns e^{\mu}\) を作用させることで得られるクラス \(e^{\mu} \cdot [\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}(y)}]\) たちの整数係数 (ある種の無限) 一次結合として表わされる.この展開式は Chevalley 公式とよばれ,Kato-Naito-Sagaki (2017),Naito-Orr-Sagaki (2018),Lenart-Naito-Sagaki (2019)などで研究されている.

本講演の主な目的は,\(G\) が \(A\) 型で \(\mu \in P\) が第一基本ウェイト \(\varpi_{1}\) の有限 Weyl 群 \(W\) による軌道に属するとき,Chevalley 公式を逆に解いた公式 (逆 Chevalley 公式とよぶ) を明示的に記述することである.即ち,クラス \(e^{\mu} \cdot [\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}(y)}]\) (\(y \in W_{\mathrm{af}}\)) を\([\mathcal{O}_{\mathbf{Q}_{G}(x)}(\lambda)]\) (\(x \in W_{\mathrm{af}}\), \(\lambda \in P\)) たちの整数係数 (有限) 一次結合として明示的に表す公式の組合せ論的な記述を与えることである.\(A\) 型の整ウェイトは,\(\varpi_{1}\) の有限 Weyl 群 \(W\) による軌道の元の整数係数一次結合として表されるため,この展開式により \(A\) 型の逆 Chevalley 公式はすべて記述することができることを注意しておく.