玉川安騎男(たまがわあきお)

[研究分野の紹介]

私の専門は、非常に大ざっぱに言うと整数論、 もう少しきちんと言うと数論幾何(学)ということになります。

数論幾何(arithmetic geometry)というのは、 簡単に言ってしまえば整数論と代数幾何の中間に位置する分野で、 数論的な体 (代数体、有限体、局所体など) の上に定義された代数多様体を研究する学問です。 したがって、私が専門を整数論としているからといって、 いわゆる代数的整数論や解析的整数論などを中心に研究しているとは 思わないで下さい。

私自身は、一般的な代数多様体を研究しているわけではなく、 主に代数曲線を研究しています。 (但し、代数曲線から派生して出てくる多様体もあわせて研究しています。) 特に、代数曲線の被覆あるいは基本群を数論幾何的に研究する ということに力を入れており、 この方面では、代数曲線の(数論的)基本群から元の曲線を復元するという 「遠アーベル幾何(anabelian geometry)」 に関する結果をこれまでにいくつか証明しています。

同じ研究所の望月新一教授も、この遠アーベル幾何を研究しています。 (望月さんからのメッセージは こちら です。) 受験生の皆さんの参考のために、 不正確になることを覚悟して二人の研究の特色をあえて比較してみますと、 望月さんは局所体(p進体)に強いのに対し私は有限体など正標数の体に強い、 望月さんは幾何的に考えがちなのに対し私は代数的に考えがち、 望月さんの研究が理論的・体系的なのに対し私の研究はやや散発的、 などが言えるかと思います。

私の研究活動についてもう少し詳しく知りたい方は、 「京都大学数理解析研究所要覧」から抜粋の こちら をご覧下さい。

[受験生に望むこと]

私を指導教官として希望する受験生の方には、 次の項目について既に勉強して一定の知識・理解を持っていることを仮定します。

また、 もある程度は持っていてほしいと思います。更に、 も持っていればよりよいですが、こちらは合格後に一緒に 一から勉強を始めるというのでも問題ありません。

[2006年4月1日現在の学生数]

1名(博士3年)


質問等は tamagawa(@kurims.kyoto-u.ac.jp) まで。