ronbun

私の論文

出版された論文、プレプリント、報告集(refereeつき)の原稿を
私が研究活動をした順番にならべました。
  1. Ideal points and incompressible surfaces in two-bridge knot complements,
    J. Math. Soc. Japan, 46, (1994) 51-87.
    (p,q) two bridge knot group (knot の補空間の基本群)の
    SL_2(C) 表現(SL_2(C) への準同型)の
    character variety (表現全体のつくる空間を共役でわったもの)の
    すべての ideal point (無限遠点、各 (p,q) について有限個しかない)を
    p/q の連分数展開を用いて完全にリストアップした。
    手間ひまかけた労作である。この研究でノート7冊をかきつぶした。
    その計算がすすむにつれ、すべての ideal point が全貌を現すのを
    まのあたりにした私は、各 knot について ideal point が現れる美しい
    メカニズム(一般論)があるであろう、という確信をもつにいたった。
    (しかし、現状では、その一般論がどのようなものであるのか、
    未知である。)

  2. (with H. Murakami and M. Okada)
    Invariants of three-manifolds derived from linking matrices of framed links,
    Osaka J. Math, 29, (1992) 545-572.
    量子 U(1) 不変量を組み合わせ的に構成し、その値は
    M のコホモロジー環を用いて記述できることを示した。
    あとになって、H. Murakami and M. Okada が独立に定義した
    不変量と同値であることがわかり、共著になる。

  3. (with Y. Akutsu and T. Deguchi)
    Invariants of colored links,
    J. Knot Theory and Its Rami., 1, (1992) 161-184.
    量子群 U_q(sl_2) は q が1のべき根のとき、通常とことなる
    表現の族をもつが、それを利用して link の不変量を構成した。

  4. (with T. Deguchi)
    Invariants of colored links and a property of the Clebsch-Gordan coefficients of $U_q(\frak g)$,
    Proceedings of the 21st International Conference on Differential Geometric Methods in Theoretical Physics,
    edited by C.N. Yang, M.L. Ge and X.W. Zhou,
    World Scientific (1993), 263--266.
    私はこの会議に出席もしていないのに名前をつらねることになった。
    申し訳ないことである。

  5. Colored ribbon Hopf algebras and universal invariants of framed links,
    J. Knot Theory and Its Rami., 2, (1993) 211-232.
    3. の不変量(多項式)を拡張して、algebra U_q(sl_2) 自身に値をもつ
    不変量を構成した。3. で用いた表現の指標で値をとると、
    3. の不変量が回復するのである。ちなみに、U_q(sl_2) の表現を
    用いて定義されるすべての knot invariant (たとえば Jones 多項式
    など)がその方法で回復する。そこで universal invariant
    という名前をつけた。

  6. Invariants of 3-manifolds derived from universal invariants of framed links,
    Math. Proc. Camb. Phil. Soc., 117, (1995) 259-273.
    3次元多様体の量子不変量の通常の構成法を復習すると、
    指標のうまい線形結合で universal invariant の値をとると
    3次元多様体の不変量がえられる、ということがわかる。
    ところが、指標の線形結合でかけないような線形写像で、
    3次元多様体の不変量をあたえるものもあることを発見する。

  7. A polynomial invariant of integral homology 3-spheres,
    Math. Proc. Camb. Phil. Soc., 117, (1995) 83-112.
    量子 SO(3) 不変量 \tau_r を q-1 で展開したときの n 次の係数は
    ある意味で r によらないことを示した。その係数をつかい
    formal power series に値をもつ不変量が定義できる。
    当初、私はこの formal power series は適当な変数変換のもとで
    polynomial になるであろう、という甘い期待をもっていたため、
    タイトルがこうなってしまったのだが、実はこの
    formal power series が収束して正則関数になるかどうかは
    簡単にはわからない、と後で判明する。

  8. Invariants of links and 3-manifolds related to a quantum group,
    Thesis, Univ. of Tokyo, (1993)
    学位論文の形にするため 3. と 5. と 6. を合体させて編集したもの。

  9. How to construct ideal points of SL_2(C) representation spaces
    of knot groups,
    Topology Appl. 93 (1999) 131-159.
    一般に knot group の ideal point (1. のコメント参照)を
    具体的に構成する方法をあたえた。

  10. (with R. Riley)
    Representations of 2-bridge knot groups on 2-bridge knot groups,
    unfinished draft.
    Riley 氏との幻の共著である。共同研究が頓座したのは、
    私が電子メールによる共同研究の作法をわきまえなかったから
    であろう。この失敗で私がえた教訓は、たとえ相手と親しく
    なろうとも、ばか丁寧な文体をくずさない、ということである。
    そうしないと、メールをひんぱんにやりとりしているため、
    あっというまに、なれあってしまう。
    研究内容の説明よりも「自分がどんなに忙しいか」ということ
    の説明の方が長くなってきたら、おしまいである。

  11. A polynomial invariant of rational homology 3-spheres,
    Invent. Math. 123 (1996), 241-257
    いい論文をかくためには(その分野の研究をリードできるような)
    哲学が語れなければならない、ということを実感する。もっとも、
    この論文でそのような哲学がかたれているわけではなく、
    それは今後の課題である。

  12. Finite type invariants of integral homology 3-spheres,
    J. Knot Theory and its Rami. 5 (1996), 101-115
    Vassiliev invariant (knot の不変量)の3次元多様体版の
    こころみである。3次元多様体の power series 不変量 7., 11.
    があるからには、そういうものがあるにちがいない、
    とおもったのである。有限型の定義に algebraically split
    という人工的とおもえる条件をつかったため、当時はこの論文の
    内容に不満であったが、この研究は2年後に新たな進展を
    みせはじめる。

  13. (with S. Yamada)
    Quantum $SU(3)$ invariants via linear skein theory,
    J. Knot Theory and its Rami. 6 (1997) 373--404.
    Lickorish による linear skein theory を用いた
    量子 SU(2) 不変量の構成をみならって、
    同じ方針により量子 SU(3) 不変量を構成する。
    ともかく、絵を変形するだけで3次元多様体の不変量の
    不変性の証明ができてしまうため、
    linear skein theory は初心者向きである、とおもう。
    ただし、Lie 環のテンソル表現の分解のしかたなど
    背景をしっていれば、効率よく計算をすすめることが
    できる(効率がいい、というのは意外に重要である)ので、
    何もしらなくてもよい、というわけではない。

  14. (with H. Murakami, S. Yamada)
    HOMFLY polynomial via an invariant of colored planar graphs,
    l'Enseignement mathematique {\bf 44} (1998) 325--360.
    13. の手法でさらに量子 SU(n) 不変量へすすもうとするが、
    SU(n) linear skein theory というものがまだない。
    そこで planar graph の不変量をつかって必要なすべてのものを
    構成してしまう。基本的な補題の証明は、両辺をそれぞれ
    構成してみせて等しいことをみる、といった調子でなされ、
    linear skein theory という観点(関係式でしばっていく)
    からは邪道であろう。しかし、linear skein theory と同様、
    最初に基本設定をした後は、証明は絵を変形するだけですべて
    ことたりる、というのが魅力である。

  15. (with H. Murakami)
    Quantum $Sp(n)$ invariant of links via an invariant of colored planar graphs,
    Kobe J. Math. 13, (1996) 191--202.
    14. でこりずにさらに Sp(n) へとすすむ。
    しかし、Lie 環は A 型が美しい、というのを実感する。

  16. (with T.Q.T Le, H. Murakami, J. Murakami)
    A three-manifold invariant derived from the universal Vassiliev-Kontsevich invariant,
    Proc. Japan Acad., 171, (1995) 125--127.
    17. の予告である。

  17. (with T. Le, H. Murakami and J. Murakami)
    A three-manifold invariant via the Kontsevich integral,
    Osaka J. Math. 36 (2), (1999), 365--396.
    link のすべての量子不変量は普遍量子不変量(Kontsevich integral)
    によって統一されてしまった。3次元多様体の量子不変量は
    link の量子不変量の1次結合で定義できることをおもうと、
    その普遍量子不変量から3次元多様体の不変量を抽出したい、
    とおもうのは自然の欲求である。本論文では、
    ホモロジー群の位数と Casson 不変量が抽出できた。

  18. (with S. Garoufalidis)
    On finite type invariant of 3-manifolds III: manifold weight systems,
    Topology 37 (1998) 227--243.
    12. で定義した有限型不変量の空間で AS and IHX relations が
    なりたつことを示す。この研究に AS and IHX relations が
    直接現れたのは、うれしい誤算であった。
    当初、私は、12. で定義した有限型不変量の空間は
    (algebraically split という、すじがわるそうな条件のために)
    そんなにきれいではない、と思い込んでいたのである。

  19. On some invariants of 3-manifolds,
    in "Geometry and Physics",
    the Proceedings on Geometry and Physics, Aarhus 1995,
    edited by J.E. Andersen, J. Dupont, H. Pedersen, and A. Swann,
    lecture notes in pure and applied mathematics 184,
    Marcel Dekker, inc., New York (1997) 411-427.
    オーフス大学は快適であった。かの地では
    「だまっていては無視される」という欧米人のしきたりを学ぶ。

  20. (with H. Murakami)
    Quantum $Sp(2)$ invariants of three-manifolds at eighth and tenth roots of unity,
    in ditto, 429-443.
    8乗根と10乗根のみの結果がまとめられている。
    量子 Sp(2) 不変量では、linear skein theory がしられているのだが、
    我々は一般の roots of unity での magic element の構成が
    できなかったのである。この論文の結果自体はオリジナルなのだが、
    報告集にだすことになった。

  21. (with S. Garoufalidis)
    On finite type 3-manifold invariants V: rational homology 3-spheres,
    in ditto, 445-457.
    私はこの結果には不満である。有理ホモロジー球面への
    有限型不変量の拡張については、いつか完全決着したいとおもう。

  22. (with T. Le and J. Murakami)
    An invariant of 3-manifolds derived from the universal Vassiliev-Kontsevich invariant,
    preprint, 1995.
    23. の予告。

  23. (with T. Le and J. Murakami)
    On a universal perturbative quantum invariant of 3-manifolds,
    Topology 37 (1998) 539-574.
    この論文で、17. での目標を達成した。
    すなわち、chord diagram の空間を AS and IHX relations のみで
    わった空間に値をもつ3次元多様体の不変量を link の
    普遍量子不変量から構成する。この不変量を3次元多様体の
    普遍量子不変量とよぶことにした。

  24. Combinatorial quantum method in 3-dimensional topology,
    MSJ Memoirs 3, Math. Soc. Japan, 1999.
    その日本語訳
    「量子不変量をめぐる3次元位相幾何学の組み合わせ的方法」塩見真枝訳、
    重点領域研究231無限可積分系、レクチャーノート 15

  25. (with J. Murakami)
    Topological Quantum Field Theory for the universal quantum invariant
    Commun. Math. Phys. 188 (1997) 501-520.

  26. The perturbative $SO(3)$ invariant of rational homology 3-spheres
    recovers from the universal perturbative invariant.
    Topology 39 (2000) 1103--1135.

  27. The perturbative $SO(3)$ invariant of homology circles,
    Proceedings of the Conference on Low Dimensional Topology, edited by H. Nencka,
    Contemporary Math. 233, Amer. Math. Soc., (1999) 141--151.

  28. A filtration of the set of integral homology 3-spheres
    Proceedings of ICM, Berlin, 1998, Documenta Math. Extra Volume ICM 1998 II, invited lectures, 473--482.

  29. (with H. Murakami)
    Finite type invariants of knots via their Seifert matrices,
    Asian J. Math. 5 (2001) 379--386.

  30. Quantum invariants, --- A study of knots, 3-manifolds, and their sets,
    Series on Knots and Everything, 29.
    World Scientific Publishing Co., Inc., 2002.

  31. A cabling formula for the 2-loop polynomial of knots,
    Publ. Res. Inst. Math. Sci. 40 (2004) 949--971.

  32. On the 2-loop polynomial of knots,
    Geometry & Topology 11 (2007) 1357--1475.

  33. Equivariant quantum invariants of the infinite cyclic covers of knot complements,
    Intelligence of Low Dimensional Topology 2006,
    Series on Knots and Everything 40,
    World Scientific Publishing Co., Inc., (2007) 253--262.

  34. (with D. Moskovich)
    Vanishing of 3-loop Jacobi diagrams of odd degree,
    J. Combin. Theory Ser. A. 114 (2007) 919--930.

  35. (with R. Riley and M. Sakuma)
    Epimorphisms between 2-bridge link groups,
    Geometry & Topology Monographs 14 (2008) 417--450.

  36. Invariants of knots derived from equivariant linking matrices of their surgery presentations,
    Internat. J. Math. 20 (2009) 883--913.

  37. Perturbative invariants of 3-manifolds with the first Betti number 1,
    Geometry & Topology 14 (2010) 1993--2045.

  38. (with Thang T. Q. Le, Takahito Kuriya)
    The perturbative invariants of rational homology 3-spheres can be recovered from the LMO invariant,
    J. Topology 5 (2012) 458--484.

  39. A refinement of the LMO invariant for 3-manifolds with the first Betti number 1,
    in preparation.

  40. On the asymptotic expansion of the Kashaev invariant of the 5_2 knot ,
    preprint