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石本 健太

名前 石本 健太 (Ishimoto, Kenta)

准教授

E-Mail ishimoto (emailアドレスには@kurims.kyoto-u.ac.jp をつけてください)


研究内容 流体力学

紹 介

 生物流体力学の基盤的理論の構築を目指し、特に、低レイノルズ数流れの流体力学、微生物の遊泳運動、及び関連する応用数学の研究をしている。同時に、これらの理論的・数値的な手法によって細胞スケールの生命現象のメカニズムを明らかにすることも研究の大きな主眼である。また、実際の生物画像データの解析やデータ駆動型数理モデリング、及び流体力学に基づいた新たなデータ活用法の研究も行っている。

・流体中の物体の形状と流体方程式の対称性
微生物などの微小物体の周りの流体はストークス方程式でよく記述されるが、方程式の時間反転対称性によって、生物の運動は強く制限を受ける。これまで、系の最も基本的な定理の一つである「帆立貝定理」に厳密な証明を与え、慣性を含む場合や非ニュートン流体への拡張を行ってきた。外部境界や背景流れがある場合には、時間反転対称性を有していても、運動は非線形になり様々な遊泳パターンを生じるが、このような微小遊泳の安定性の研究を進めている。また、流体方程式を通した物体の対称性(流体運動的対称性)に関心を持って、軸対称物体の非線形周期運動を表すジェフリーの解を、多くの微生物遊泳を含む「螺旋物体」のクラスに拡張した。

・複雑な要素や境界を含む流体数値計算
細胞遊泳の問題には、複雑な形状をもつ境界、生物と流体の流体構造連成問題、粘弾性流体に代表される流体の非ニュートン性がしばしば現れ、生物学的にも重要な役割を担っている場合が多く知られている。また、これらの要素を含んだ複雑流体の数値計算は理論的な研究を進めていく上でも、生命現象を理解するためにも重要であり、これまで境界要素法を中心とした高精度計算から正則化ストークス極法による高速近似計算手法の開発を行ってきている。

・生命現象に現れる流体現象
細胞の遊泳は生命システムの一部であり、細胞は周りの物理的・生化学的環境に対して柔軟に適応している。特に、受精現象のダイナミクスに対して精力的に取り組み、卵管内部での精子の遊泳や卵との相互作用について、生物学の実験から提起された仮説を流体力学的な観点から検証し、生命現象のメカニズム を明らかにしてきた。

・生物画像データ解析と数理モデリング
ヒト精子等の高速撮影顕微鏡画像から鞭毛波形を抽出し、得られた波形を用いて直接数値計算を通して、生物周りの流れを調べている。ヒト精子鞭毛のデータから得られた複雑な流れパターンに対して主成分分析を行うことで、流れ場も少数のモードで記述できることを見出し、さらにこれがストークス方程式の基本解の線形結合で記述できることを明らかにした。この基本解は鞭毛運動によって生じる力に対応しており、精子の遊泳運動は少数次元の力学系に帰着できることを意味している。さらに、この次元圧縮の手法を用いて、粘弾性流体中の精子遊泳の特徴づけや精子集団ダイナミクスのデータ駆動型数理モデルの構築に取り組んでいる。

  1. Coarse-graining the flow around a human sperm, Phys. Rev. Lett. 118 (2017) 124501. (with H. Gadêlha, E. A. Gaffney, D. J. Smith and J. Kirkman-Brown)
  2. Dynamics of a treadmilling microswimmer near a no-slip wall in simple shear, J. Fluid Mech. 821 (2017) 647-667. (with D. G. Crowdy)
  3. Boundary element methods for particles and microswimmers in a linear viscoelastic fluid, J. Fluid Mech. 831 (2017) 228-251. (with E. A. Gaffney)
  4. Guidance of microswimmers by wall and flow: Thigmotaxis and rheotaxis of unsteady squirmers in two and three dimensions, Phys. Rev. E. 96 (2017) 043101.
  5. Human sperm swimming in a high viscous mucus analogue, J. Theor. Biol. 446 (2018) 1-10. (with H. Gadêlha, E. A. Gaffney, D. J. Smith and J. Kirkman-Brown)
  6. An elastohydrodynamical simulation study of filament and spermatozoan swimming driven by internal couples, IMA J. Appl. Math. 83 (2018) 655-679. (with E. A. Gaffney)
  7. Hydrodynamic clustering of human sperm in viscoelastic fluids, Sci. Rep. 8 (2018) 15600.(with E. A. Gaffney)
  8. The N-flagella problem: Elastohydrodynamic motility transition of multi-flagellated bacteria, Proc. R. Soc. A 475 (2019) 20180690. (with E. Lauga)
  9. Bacterial spinning top, J. Fluid Mech. 880 (2019) 620-652.
  10. Helicoidal particles and swimmers in a flow at low Reynolds number, J. Fluid Mech. 892 (2020) A11.

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Research Institute for Mathematical Sciences (RIMS)