社会との連携
数理科学と社会のつながり
数理科学は諸科学の礎であり、様々な学術領域を介して人類の幸福に役立っている。
また、数理科学は、しばしば長い年月をかけて、正しい問題解決の方法を見出し、普遍的なかたちで深く発展させるという特質を持っている。純粋数学とてその例外ではない。かつては「まったく応用がない」と考えられていた研究が、数十年後にビジネス等に大きな影響を与えたこともある。このように、数理科学においては、特定の応用を意図することなく発展してきた分野から後に自然に応用が育ってきた例が数多く見受けられる。
社会人の生涯学習及び研究成果の社会への還元
数理解析研究所は、社会人生涯学習および研究成果の社会への還元につとめている。
生涯学習については、毎年、本研究所主催で「数学入門公開講座」を行い、現代数学の最先端とその活用等について紹介し、
数学・数理科学の魅力を伝えている。また、数学・数理科学の5研究拠点(明治大学先端数理科学インスティテュート、
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所、大阪市立大学数学研究所、統計数理研究所、京都大学数理解析研究所)が高校生や社会人を対象に合同で「数学・数理科学5研究拠点合同市民講演会」を開催している。
研究成果の社会への還元については、他の学術諸分野や企業との連携研究を行うために数学連携センターを設置し、
数学の社会への幅広い応用を目指している。さらに、産学連携のワークショップ等も共催している。