所員 -河合 俊哉-

名前 河合 俊哉 (Kawai, Toshiya)
准教授
E-Mail toshiya (emailアドレスには@kurims.kyoto-u.ac.jp をつけてください)
U R L
研究内容 場の理論・弦理論・数理物理学
紹 介
 手法としても研究対象としても2次元(超)共形場の理論と関連する数理物理に 永らく興味を持ち続けているが, 近年は超対称性のある場の理論や弦理論の物理が代数多様体の数え上げ幾何と 関連している場合に関心がある。
 具体的には,(ある種の楕円カラビ・ヤウ多様体にコンパクト化した) F 理論 ないし $IIA$ 型弦理論と混成的弦理論(の適当なコンパクト化)の間に成立する と予想されている双対性の理解およびBPS状態の数え上げとしての 定量的検証を近年の研究主題としている。 混成的弦理論はゲージ理論や重力理論などの馴染みの物理との関係が見やすく, また数学的には表現論と近い関係にあるといってもよい。一方 F 理論ないし $IIA$ 型弦理論では考えている楕円カラビ・ヤウ多様体の グロモフ・ウィッテン不変量やDブレーンの解釈としての「層の足し上げ」 などの数え上げ幾何のテーマと関係する。 特にBPS状態の数え上げに対する生成関数をボーチャーズ積の類似として解釈することを試みている。また具体例で試行錯誤してみると上記の数え上げ幾何以外にも ヤコビ形式,不変式論,保型形式,楕円コホモロジー,表現論などの諸分野が 有機的にからみあっていることが分かってきた。 これらの諸概念を何らかの意味で統一する様な形で弦理論双対性を理解できれ ばと願っている。
 ゲージ理論と開カラビ・ヤウ多様体の対応は近年盛んに研究されているが, 量子重力を含む場合を取り扱おうとすると閉(楕円)カラビ・ヤウ多様体を 考えなければならない。考えている状況の限りでは量子重力の難しさは 豊穣な「楕円」数学の世界と呼応しているようである。従って,困難ではあるが 物理的にも数学的にも意義深く挑戦しがいがあると考えて日々研究している次第である。
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