所員 -齋藤 盛彦-

名前 齋藤 盛彦 (Saito, Morihiko)
准教授
E-Mail msaito (emailアドレスには@kurims.kyoto-u.ac.jp をつけてください)
U R L
研究内容 代数解析学の研究
紹 介
 ホッジ加群[1][2]やD-加群の理論の応用等について研究を続けている。昨年サバ氏と行ったコンツェビッチ予想の証明に関連して,かつてコンツェビッチ氏の定義したドラーム複体の部分複体が,実はベイリンソン極大拡張と呼ばれているものと一致するという事実を発見したので,それを論文[3]にまとめた。証明にはステンブリンク氏の理論を 用いてV-フィルトレーションを表すという約30年前に見つけたアイデアがホッジ 加群と並んで本質的に使われている。
 藤野・藤澤の両氏との論文[4]では,双対化層の順像の半正定値性に関する定理の一般化及び精密化を行った。ここでは次元に関する帰納法を使う際に,ホッジ構造の変動の極限における挙動に関するカタニ・カプラン・シュミットの結果が本質的に使われる。また,正規交差多様体への拡張には,ホッジ加群の理論が非常にうまく適用される様に思われる。
 ディムカ氏との論文[5]では,孤立特異点を持った斉次超曲面のミルナー代数とステンブリンクのスペクトルとの間のよく知られた関係を非孤立特異点の場合に拡張しようと試みたが,状況は思った以上に複雑な様で,一般にはそう簡単な関係式は得られそうにない。ここではブリースコルン加群の捩れ部分群が本質的な役割を果たし,捩れ部分群が消える孤立特異点の場合とはかなり異なる風景が見られる。
 ホッジ理論に関しては,シャルル氏の許容法関数の零点の定義体に関する結果に刺激を受けて,l-進コホモロジーやガロワ群の作用の代わりに部分多様体のスプレッドを用いてその一般化を証明する論文[6]を書いた。ここでは底空間上局所的には位相的に自明な代数多様体の族とその全空間上で定義された許容法関数が与えられた時に,法関数が一つのファイバー上で一定ならば他のどのファイバー上でもそうであるという事実が本質的に使われている。その他に代数サイクルに関しては,チャウ・キュネット分解の射影子の自由度に関する研究[7]なども行っている。
  1. Modules de Hodge polarisables, Publ. RIMS, Kyoto Univ. 24 (1988), 849--995.
  2. Mixed Hodge Modules, Publ. RIMS, Kyoto Univ. 26 (1990), 221--333.
  3. On the Kontsevich-de Rham complexes and Beilinson's maximal extensions, preprint
  4. Some remarks on the semi-positivity theorems, preprint (with Osamu Fujino and Taro Fujisawa)
  5. Graded Koszul cohomology and spectrum of certain homogeneous polynomials, preprint (with Alexandru Dimca)
  6. Normal functions and spread of zero locus, preprint
  7. Ambiguity of certain Chow-Kunneth projectors, preprint