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望月 拓郎

名前 望月 拓郎 (Mochizuki, Takuro)

教授

E-Mail takuro (emailアドレスには@kurims.kyoto-u.ac.jp をつけてください)

U R L

研究内容 微分幾何・代数幾何の研究

紹 介

 [1,5]において 私は調和バンドルの特異性についての研究を行い, 漸近挙動の大雑把な分類を得ました。 その結果に基いて, [1,2,5]において ワイルド調和バンドルや純ツイスターD加群を研究し, 小林-Hitchin対応や半単純ホロノミックD加群の強レフシェッツ定理などを 得ました。 さらに, その自然な発展として, [8]において 混合ツイスターD加群の理論の整備に取り組みました。 その過程で, 不確定特異点やストークス現象にも関心を抱き, 有理型平坦束の局所構造の研究[5], ホロノミックD加群のBetti構造の研究などを行ってきました。 また, 代数曲面上のベクトル束のモジュライ空間から得られる不変量の 性質についての研究[4]も行いました。
最近は, これまでの研究で得られた結果・知見を, 調和バンドルやツイスターD加群に関連する対象や, より具体的な題材に適用することを試みています。
ワイルド調和バンドルの小林-Hitchin対応はHiggs束上の 調和バンドルの分類をパラボリック構造の分類に帰着するものといえます。 数理物理で自然に現れるヒッグス束上の調和バンドルの分類は, ある種の物理的な対象の分類と関連づけられるため興味深いです。 そこで, [6]では 小林-Hitchin対応を用いて, 二次元戸田方程式の実数値解の分類を行い, さらに同伴する有理型平坦束のStokes構造やモノドロミーを具体的に 計算しました。
多重周期性を持つインスタントンやモノポールは ``無限次元のワイルド調和バンドル''とみなす見方が有効であり, これまでの調和バンドルの研究で培ってきた知見を活かせます。 この観点から[7]で 二重周期性を持つインスタントンの研究を行い, 漸近挙動の大雑把な分類, Nahm変換, 小林-Hitchin 対応などを確立しました。 また、モノポールについても研究を進めています。 モノポールのDirac型特異性の比較的容易な特徴付けを得た論文 ``Some characterization of Dirac type singularity of monopoles''(吉野将旭氏との共著)が ``Communications in Mathematical Physics''から 出版されました。 さらに, 体積が無限大のケーラー多様体上の Kobayashi-Hitchin対応[11] を確立し, これに基づいて一連のプレプリント ``Periodic monopoles and difference modules (arXiv:1712.08981)'', ``Doubly periodic monopoles and q-difference modules (arXiv:1902.03551)'' ``Triply periodic monopoles and difference modules on elliptic curves (arXiv:1903.03264)'' では, 周期性を持つモノポールと 差分加群や$q$-差分加群との間の小林-Hitchin対応を得ています。
コンパクトRiemann面上の調和バンドルは,Higgs 場のスカラー倍によって 自然に変形されていきます. スカラーを$0$にする極限は古典的によく研究されていましたが, [9]では, スカラーを大きくした場合にどのような現象が生じるかについて 研究しました. そして, スカラーを大きくしていくと調和バンドルの複雑さが ヒッグス場の固有値が$0$の部分に集中していくことを示しました. また調和バンドルの階数が$2$の場合に, 極限を具体的に記述することができました.
混合ツイスターD加群の関手性と, 各有理型関数に混合ツイスターD加群が同伴することを用いると, 多くの自然なホロノミックD加群が自然に混合ツイスター構造を持つことが わかります。 この観点から, [10]では, 代数的関数に付随して得られるKontsevich複体というものが, ある混合ツイスターD加群のV-フィルトレーションの相対ドラム複体と 擬同型であることを証明しています。 また, プレプリント ``Twistor property of GKZ-hypergeometric systems'' (arXiv:1501.04146)では, 特に超幾何ホロノミックD加群上の 混合ツイスターD加群について調べています。
このように具体的な例や関連する対象の研究を通じて, 調和バンドルや混合ツイスター D 加群の理論を整備し, より多くの場面で使えるものに育てていくとともに, また自分自身の研究領域を広げていきたいと考えています。 多くの興味深い研究対象・課題に恵まれていますので, 少しずつ形にしていきたいと思っています.

  1. Asymptotic behaviour of tame harmonic bundles and an application to pure twistor D-modules I, II, Mem. AMS., 185, no. 869, no. 870, (2007)
  2. Kobayashi-Hitchin correspondence for tame harmonic bundles II, Geometry & Topology, 13, (2009), 359--455
  3. Donaldson type invariants for algebraic surfaces, Springer-Verlag, Lecture Notes in Mathematics 1972, Springer, 2009
  4. Wild harmonic bundles and wild pure twistor $D$-modules, Astérisque 340, 2011
  5. Harmonic bundles and Toda lattices II, Communications in Mathematical Physics 328, (2014), 1159--1198
  6. Asymptotic behaviour and the Nahm transform of doubly periodic instantons with square integrable curvature, to appear in Geometry & Topology 18, (2014), 2823--2249
  7. Mixed twistor D-modules, Lecture Notes in Mathematics, 2125. Springer, 2015
  8. Asymptotic behaviour of certain families of harmonic bundles on Riemann surfaces, J. Topol. 9 (2016), 1021--1073
  9. A twistor approach to the Kontsevich complexes. Manuscripta Mathematica, 157 (2018), 193--231
  10. Kobayashi-Hitchin correspondence for analytically stable bundles. Trans. Amer. Math. Soc. 373 (2020), 551--596.

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Research Institute for Mathematical Sciences (RIMS)