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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり
授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第6回
日時: 2004年5月28日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 小林 俊行 教授
題目: 対称性と幾何
―― 連続群と不連続群
要約:
野山に咲く花や,京都に古くからある建物など, 我々が美しいと感じるものの背後には「対称性」が潜んでいたり, あるいは逆に,「対称性のくずれ」 の中にほっとするような落ち着きを感じることもあります.

そもそも対称性とはなんでしょうか?

「球面が丸い」とか「直線はまっすぐである」 と漠然と認識していることをどうしたら数学的にきちんと説明できるでしょうか?  その一つの方法は, 「球面を回転させても変わらない」とか「直線を平行移動しても変わらない」 という性質を用いることです. 

この方法を一般化し,「群による作用(変換群)」という代数構造を用いて,
タイル張りなどに見られる離散的な対称性(不連続群),
曲がった空間における連続な対称性(リー群),
無限次元の空間における対称性(表現論・調和解析)
などさまざまな対称性を数学的にとらえることができ, 現代数学や数理物理において欠かすことのできない基礎概念を得ることができます.

この講義では,数学における抽象的な対称性の概念の雰囲気を伝え,時間があれば この分野の未解決問題にも触れたいと思います.


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html"

 

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