全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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第5回 | |
日時: | 2005年5月20日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 大槻 知忠 助教授 |
題目: | 結び目の不変量 |
要約: |
円周を3次元ユークリッド空間に自己交差がないように埋め込んだものを
結び目といいます。
埋め込み方をかえると、できる結び目もさまざまです。
では、どれくらい多様な結び目があるのでしょうか?
変形して互いにうつりあう結び目を同じ結び目とみなして、
数学的対象として結び目を研究する分野を結び目理論といいます。
与えられた結び目が同じであることを示すのは比較的簡単で、 すなわち、実際にそれらを変形してみせることによって 同じ結び目は同じであるとわかります。 ちがう結び目が確かにちがうということを示すのは比較的難しく、 これを示すときに不変量というものがつかわれます。 歴史的には、1980年代に数理物理的手法が幾何学の研究に導入され、 結び目理論においては、量子群や共形場理論に関連して、 Jones 多項式をはじめとする大量の結び目不変量が発見されました。 この講義では、Jones 多項式を例にとって、 結び目の不変量がどのように構成されるのかを解説します。 幾何的な量をいかに離散化して代数的にとりだしてくるのかという工夫に 不変量の研究のおもしろさがあるとおもいます。 |
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