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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり
授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第11回
日時: 2006年7月7日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 川北 真之 助手
題目: 代数幾何学入門
要約:
代数幾何学で研究される幾何学的対象は代数多様体と呼ばれ,それは 連立多項式の共通零点集合として定義される図形である. 実数係数の2次曲線は代数多様体の初等的な例であって,それらは 楕円,放物線,双曲線のいずれかに分類される.この例では2次曲線を 実数上で考えたが,他にも整数上,複素数上等,様々な範囲で代数多様体 を考察できることが代数幾何学の利点である.著名な例であるが, xn+ yn = 1 の解 (x,y) 全体を有理数解に限って 考えると,nが3以上のとき自明な解(xy=0となる解)以外に持たない,という 主張がFermatの定理である.ここに挙げた例は全て代数曲線であるが, 代数幾何学ではさらに高次元代数多様体を扱う.

講義では代数多様体の定義から出発し,抽象化された概念であるスキーム論, 代数多様体上の基本的な変換操作であるブローアップ等,代数幾何学の基礎を 多くの具体例を挙げながら解説する.代数幾何学における分類理論の最新の 様子も簡単に紹介したい.


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html"

 

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