全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
|
現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
| |
第2回 | |
日時: | 2006年4月21日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 熊谷 隆 助教授 |
題目: |
マルチンゲールとその応用 ---ゲームの最適戦術、オプションの価格付け--- |
要約: |
マルチンゲールとは、公平な賭け事を行っているときの所持金の変化の仕方を モデル化した、時間とともに変化するランダムな動きのことで、今日の確率論 においてマルチンゲール理論の果たす役割は計り知れません。 この講義では、離散マルチンゲールの定義とその性質について簡単に概観した後、 ゲームの最適戦術、オプションの価格付けといったマルチンゲール理論の応用分野 の紹介をします。 特に応用の部分に力点をおき、例えば「サイコロを6回まで振ってよいとき、 最後に出た目の期待値を最大にするにはいつサイコロ振りを止めればよいか」 という問題に最適戦術を与えたり、数理ファイナンスのオプションの価格付けが どのような考え方でなされているかを離散モデルを用いて説明し、有名な ブラック・ショールズの公式を導出するなど、具体例を多く盛り込んだ講義にしたい と思います。 |
"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html" |