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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり
授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第2回
日時: 2006年4月21日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 熊谷 隆 助教授
題目: マルチンゲールとその応用
---ゲームの最適戦術、オプションの価格付け---
要約:
マルチンゲールとは、公平な賭け事を行っているときの所持金の変化の仕方を モデル化した、時間とともに変化するランダムな動きのことで、今日の確率論 においてマルチンゲール理論の果たす役割は計り知れません。 この講義では、離散マルチンゲールの定義とその性質について簡単に概観した後、 ゲームの最適戦術、オプションの価格付けといったマルチンゲール理論の応用分野 の紹介をします。 特に応用の部分に力点をおき、例えば「サイコロを6回まで振ってよいとき、 最後に出た目の期待値を最大にするにはいつサイコロ振りを止めればよいか」 という問題に最適戦術を与えたり、数理ファイナンスのオプションの価格付けが どのような考え方でなされているかを離散モデルを用いて説明し、有名な ブラック・ショールズの公式を導出するなど、具体例を多く盛り込んだ講義にしたい と思います。

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/zengaku/index.html"

 

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