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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり
授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第10回
日時: 2007年7月6日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 山田 道夫 教授
題目: ウェーブレットと多重解像度解析
要約:
ウェーブレットは20年ほど前に発見された新しい関数系で,拡大縮小と 平行移動によって生成される相似な関数系である.発見のきっかけは工 学における技術者の実務作業であったが,以後数学的に急速に発展し, 現在ではさまざまな応用分野において標準的データ解析手法の一つになっ ている.ウェーブレット解析の特徴は,関数を,異なる多くの解像度で 分解し,スケール構造と同時に空間構造を調べる点にある.また驚くべ きことに,ウェーブレットの構成に伴う代数的関係が,全く独立に従来 からフィルタ理論として知られていたものと一致することが見出され, フィルタ演算に関数解析的表現を与えることになった.ここでは,ウェー ブレットの発展の歴史を振り返って,数学と応用分野の相互作用の一例 を紹介する.

"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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