全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
|
現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
| |
第1回 | |
日時: | 2009年4月10日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 川北 真之 准教授 |
題目: | 代数幾何学への招待 |
要約: |
代数幾何学で研究される幾何学的対象は代数多様体と呼ばれ,それは連立多項式の共通零
点集合として定義される図形である.楕円,放物線,双曲線に分類される実平面上の2次
曲線は代数多様体の初等的な例である.この場合は実数上で2次曲線を考えるが,他にも
整数上,複素数上等,様々な範囲で代数多様体を考察できる.例えばFermatの定理は,n
が3以上のとき xn + yn = 1 で定義される平面曲線は2直線 xy =
0 の外で有理数点 (x, y) を持たない,と定式化される.これらの例は代数曲線である
が,代数幾何学ではさらに高次元代数多様体を扱う.
講義では代数多様体の定義から出発し,抽象化された概念であるスキーム論,代数多様体 上の基本的な変換操作であるブローアップ等,代数幾何学の基礎を多くの具体例を挙げな がら解説する.代数多様体が常にコンパクト化できること (或いは,生成点を持つこと) は特有の性質で,その意味と効力を解説する.最後に代数多様体の分類理論の最新の様子 を紹介する. |
"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html" |