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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり


授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第12回
日時: 2009年7月3日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 望月 拓郎 准教授
題目: 結び目とカンドル
要約:
結び目がほどけているかどうかを判定するには どうすれば良いか, あるいはもう少し一般に 二つの結び目をどうしたら区別できるか? という問題は昔から多くの人達を魅了してきました. 一見素朴なこの問題はとても難しく, そのために数多くの道具が開発されてきました.

その一つとして, カンドルと呼ばれる代数系を 結び目や二次元結び目の識別, あるいはその不可逆性の判定に使う話があります. その際, カンドルコホモロジーというものの 計算がそれなりに大事になります.

この講義では, カンドルから得られる 結び目や二次元結び目の不変量について紹介した上で, 二面体カンドルと呼ばれる特別なカンドルの 三次のコホモロジーを実際に計算してみることを 一応の目標とします. その前に, 最も有名な結び目の不変量の一つである ジョーンズ多項式も少し紹介する予定です.

壮大な展望や強力な理論を提示することよりは, むしろ簡単で具体的な問題を通じて, 幾何学の基本的な考え方や初等的な代数に 馴染む機会になれば, と思っています.


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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Research Institute for Mathematical Sciences (RIMS)