全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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日時: | 2009年7月3日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 望月 拓郎 准教授 |
題目: | 結び目とカンドル |
要約: |
結び目がほどけているかどうかを判定するには
どうすれば良いか, あるいはもう少し一般に
二つの結び目をどうしたら区別できるか?
という問題は昔から多くの人達を魅了してきました.
一見素朴なこの問題はとても難しく,
そのために数多くの道具が開発されてきました.
その一つとして, カンドルと呼ばれる代数系を 結び目や二次元結び目の識別, あるいはその不可逆性の判定に使う話があります. その際, カンドルコホモロジーというものの 計算がそれなりに大事になります. この講義では, カンドルから得られる 結び目や二次元結び目の不変量について紹介した上で, 二面体カンドルと呼ばれる特別なカンドルの 三次のコホモロジーを実際に計算してみることを 一応の目標とします. その前に, 最も有名な結び目の不変量の一つである ジョーンズ多項式も少し紹介する予定です. 壮大な展望や強力な理論を提示することよりは, むしろ簡単で具体的な問題を通じて, 幾何学の基本的な考え方や初等的な代数に 馴染む機会になれば, と思っています. |
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