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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり


授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第9回
日時: 2010年6月4日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 望月 拓郎 准教授
題目: 交叉数について
要約:
幾何学では「できない」ことを証明するために, なんらかの不変量が用いられます. そのような不変量の構成において 最も素朴で古典的な方法は交叉数を用いるものです. 例えば, 「平面上から滑らかな閉曲線を取り除くと 二つの連結な領域に分割される」という有名な ジョルダンの曲線定理(の簡単な場合) は交叉数を用いることで証明されます. このような古典的な話だけでなく, 交叉数はより洗練された姿になって 幾何学のいろいろな分野に現れます. しかるべき状況で適切に交叉の理論を展開することは, 今でも数学の重要なテーマの一つといっても 良いかもしれません.

この講義では簡単な例や応用を紹介しながら 古典的な交叉数について解説する予定です. これまでの講義と重なる部分もあると思いますが, 予備知識は特に仮定しません.


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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