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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり


授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第5回
日時: 2012年5月18日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 熊谷 隆 教授
題目: 複雑な図形の上のランダムウォーク
要約:
滑らかな空間の上の熱伝導は、熱方程式と呼ばれる二階の偏微分方程式を 解くことによって理解することができます。では、例えばフラクタルのような 複雑な構造をもった(滑らかでない)図形の上で、熱の伝わり方を調べるには どうしたらよいでしょう?この講義では、話を簡単にするため主にグラフの上での 熱の伝わり方を考えます。実は、グラフ上のランダムウォーク(あるいは、その 極限として 現れるブラウン運動)の挙動を調べることによって、そのグラフの上での熱伝導 の仕方を 理解することができます。

講義の前半では、そもそもなぜ、ランダムウォークを考えることで熱伝導を調べ る事が できるかについて、正方格子を用いてお話しします。後半では、ランダムウォー クを用いた 複雑な図形の熱伝導の解析について、具体例を通じて最近の研究も交えて紹介し たいと思います。


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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