全学共通科目講義(1回生~4回生対象)
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現代の数学と数理解析 |
―― 基礎概念とその諸科学への広がり |
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日時: | 2012年5月18日(金) 16:30-18:00 |
場所: | 数理解析研究所 420号室 |
講師: | 熊谷 隆 教授 |
題目: | 複雑な図形の上のランダムウォーク |
要約: |
滑らかな空間の上の熱伝導は、熱方程式と呼ばれる二階の偏微分方程式を
解くことによって理解することができます。では、例えばフラクタルのような
複雑な構造をもった(滑らかでない)図形の上で、熱の伝わり方を調べるには
どうしたらよいでしょう?この講義では、話を簡単にするため主にグラフの上での
熱の伝わり方を考えます。実は、グラフ上のランダムウォーク(あるいは、その
極限として
現れるブラウン運動)の挙動を調べることによって、そのグラフの上での熱伝導
の仕方を
理解することができます。
講義の前半では、そもそもなぜ、ランダムウォークを考えることで熱伝導を調べ る事が できるかについて、正方格子を用いてお話しします。後半では、ランダムウォー クを用いた 複雑な図形の熱伝導の解析について、具体例を通じて最近の研究も交えて紹介し たいと思います。 |
"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html" |