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全学共通科目講義(1回生~4回生対象)

 

現代の数学と数理解析
―― 基礎概念とその諸科学への広がり


授業のテーマと目的:
数学が発展してきた過程では、自然科学、 社会科学などの種々の学問分野で提起される問題を解決するために、 既存の数学の枠組みにとらわれない、 新しい数理科学的な方法や理論が導入されてきた。 また、逆に、そのような新しい流れが、 数学の核心的な理論へと発展した例も数知れず存在する。 このような数学と数理解析の展開の諸相について、第一線の研究者が、 自身の研究を踏まえた入門的・解説的な講義を行う。

数学・数理解析の研究の面白さ・深さを、 感性豊かな学生諸君に味わってもらうことを意図して講義し、 原則として予備知識は仮定しない。

第10回
日時: 2015年6月26日(金)
16:30-18:00
場所: 数理解析研究所 420号室
講師: 望月 拓郎 教授
題目: Ahlforsの補題について
要約:
幾何学の研究では様々な非線形な微分方程式(や微分不等式)が 自然に現れ、重要な役割を果たします。
その方程式(不等式)の解の大きさをなんらかの方法で抑えることが、 研究の第一歩としてしばしば重要になります。
この講義では、L. AhlforsによるSchwarz-Pickの補題の一般化と その証明のアイディアを説明し、 曲面の計量や曲率との関係を説明することで、 幾何学における非線形解析の例を紹介します。 また、Ahlforsの補題のアイディアを使える例として Hitchin方程式というものについても触れる予定です。

参考文献:

  • L. Ahlfors, An Extension of Schwarz's Lemmas, Transactions of the American Mathematical Society, Vol 43, (1938) pp. 359--364
  • L. Ahlfors, Complex analysis, McGraw Hill Higher Education; 3rd edition
    (複素解析の標準的な教科書ならばなんでも良い.)
  • 小林昭七  曲線と曲面の微分幾何  裳華房
  • 今野宏  微分幾何学  東京大学出版会


"http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/special-02.html"

 

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